慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

恩人の一周忌に花を届けに・・・・

神々に捧げるためにインダス河に流される供養の花

 

 台風15号が近づいて来て、今日は時折雨模様の一日でした。明日は私が僧侶として最も大きな御恩を受けた方の一人、K上人の一周忌です。一周忌の法要はすでに、法類や組寺の方々で行われていましたが、私はどうしてもお花を御供えしたい気持ちになっていました。

 そこでご近所の花屋さんに無理を言って、予定にない日に花市場へ行ってもらい、私のうるさい注文に沿った花を揃えて盛り花に仕立ててもらいました。

 桶狭間から上人のお寺までは10数キロほど。盛り花を持って電車にも乗れないので、自転車で行くことにしました。ナビのルート案内では、大した高低差もなく40分あまりで行かれそうです。

 雨はちょうど止んで風は涼しく、お寺までの道のりは同じ県道をどんどん進んで行けばよいだけなので、迷うこともなく到着しました。

 ナビの言うとおり、所要時間は40分ほど。全行程の7割ほどは広い歩道を走れましたから、車の交通の比較的多い道でしたが、周囲の景色を楽しむ余裕もありましたし、上人との思い出をいろいろと考えながらの「小旅行」になりました。

 

 K上人が、「この子は宗門の役に立つ場があるよ」と言って下さり、周囲の反対を抑えて、本山に「下宿」することを許してもらいました。私は、おそらくこの宗門始まって以来、最も自由気ままに本山での暮らしを楽しんだ僧侶となりました。

 K上人が期待して下さったような「役に立つ」という状況には至りませんでしたが、少しでも法然上人、證空上人の教えを皆さんに知っていただく努力を続けることで、いつか「役にたつ」ようになりたいものです。

 

 それにしても、まだまだ教えていただきたいこと、励ましていただきたいこと、ご恩返しをさせていただきたいことはたくさんありました。

 自転車でも、すぐ近くにいたのに・・・・・お浄土で再会するまで、これからも何度も悔やむことになりそうです。

 

 お届けした盛り花は白を基調にしたもので、仏花とはだいぶ趣が違います。K上人なら、きっと私の気持ちをくんで下さり、笑って受け取って下さったと思いたいところです。