慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

発声することの大切さ・・・知多四国のお参り

 昨日は知多半島の南端の沖合に浮かぶ篠島へ友人とプチ旅をしてきました。

 知多半島弘法大師の信仰の篤いところで、半島内と二つの離島に四国八十八か所のミニ版があります。私も10年ほど前から、少しずつお参りをしているのですが、篠島にある三か所の霊場はまだだったので、出かけて行ったのです。

 気持ちの良い快晴。お参りにはベストな日でした。私たちが札所の一つにたどりついたとき、先に来ていた方がお参りを始めていました。『般若心経』を読んでおられたのですが、その声がいかにも小さいのです。私たちが近づいているのに気が付いて、少し照れ臭かったのでしょうか?

 仏教経典だけでなく、世界中の宗教の聖典というものは、本来「声に出して」称えるものです。お釈迦様の教えも、最初は口伝で広められ、僧侶たちはそれを称えることで伝えていったのです。

 お経を暗記して称えることは今でも大切なことだとされています。しかし、私は無理に暗記するよりも、しっかりお経本を読んでいくことの方が望ましいと思っています。できるだけ意味を考え、受け取りながら、しっかり発声して読むのがおすすめです。

 意味を受け止めるのは簡単ではありませんが、仏典の現代語訳もありますし、お寺やカルチャーセンター、大学の一般向け講座などで、仏典の講義を積極的に受けてみるのも良いでしょう。

 まずは、恥ずかしがらず、ゆっくり、しっかりした発声で心経を読んでみましょう。

 

 また、しっかり声に出すことが大切なのは他にもたくさんあります。例えば「ありがとう」という感謝の言葉です。

 家族や近しい関係ですと、「言わなくてもわかっているだろう」と思ってしまいがちですが、きちんと感謝を言葉にあらわす、思いやりを行動で表すことは、近しいからこそ大事なのです。