
昨日から雨が続いています。本当に久ぶりの雨なので、境内の木々、とりわけ咲き始めた梅の木が喜んでいるようです。
さて、旧暦の2月15日は、お釈迦様が涅槃に入られた涅槃会の日です。現行のカレンダーでは、今年は3月14日がそれにあたります。
◎3月14日(旧暦2月15日)10時より、涅槃会の短い法要をおこないます。
今年は、今まで公開されていなかった慈雲寺秘蔵の大きな「涅槃図」を公開いたします。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。
この涅槃図は、昨年の大掃除の時に偶然、倉庫の奥から見つかったものです。いずれ練習をして、この図を使ったお説教をさせていただきたいと思っています。
そのために読み始めたのが、田上太秀さんの「『涅槃経』を読む」という講談社学術文庫の本です。
『涅槃経』は、お釈迦様の最晩年、涅槃、そしてお釈迦さまの遷化直後の仏教教団の様子などが説かれている経典です。お釈迦様の臨終の説法が中心です。
そして、お釈迦様の諸行無常の真理のまま、老いて、病にたおれ、そして肉体を離れていく様子がとても現実味をおびて語られています。
田上さんの本の特徴は、単に『涅槃経』の解説ではなく、仏教の基本的なものの見方、考え方、教えの基礎から述べているところです。
この意味で、仏教の入門書としてもすぐれた本と言えるでしょう。
なかでも、私にとって興味深いのは、「仏性とは何か?」とか、「仏性と霊魂の違い」と言った問を設けて、釈迦の生きた時代に仏教を取り巻いていた、さまざまな宗教、哲学思想についても比較しながら解説している点です。
仏性といのは、大乗仏教の特徴的な考え方の一つです。全ての生きとし生けるものには(極端にいえば、草木などまで)仏となる可能性、仏の「種」がやどされているとすると説明されることが多いのですが、田上さんは、この本で一歩も二歩も踏み込んで、仏性の問題に取り組んでいます。
仏性については、なかなか良い入門書がなく、簡単過ぎるか難しすぎるか極端なものが多いのですが、この田上さんの説明は、解りやすく、しかもある程度の深みもあって、「もっと勉強したい!」という気持ちにさせてくれます。
「涅槃図」には、お釈迦様の臨終の様子、悲しむ人々や動物たちの様子が生き生きと描写されています。私たちの人生、とりわけ「終活」を考えている方には、ぜひ見ていただきたい絵です。