慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

7月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は7月26日10時よりおこないます。テーマは「『往生要集』からの飛翔:法然」です。源信が『往生要集』で念仏を勧めてから100年後、法然は大きく念仏の意味を変えたと言われています。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

出家の「第一歩」とは Part2 宗祖の解説本を読んでみる

 上の写真は、私が慈雲寺に赴任する前、40年ほど過ごしたカナダのバンクーバーの夏景色です。おそらくバンクーバーはもうすっかり秋になっていることでしょうが・・・

 さて、出家を考えていらっしゃる方におすすめの「第一歩」ですが・・・もちろん最初の一歩の踏み出し方は色々あります。正に「ご縁」の世界。私も不可思議としか言えないような「ご縁」のつながりを経て、浄土宗西山派西山浄土宗)の僧侶にならせていただけました。

 私のおすすめは、それぞれの宗派の「宗祖」「流祖」と呼ばれる方の伝記や解説本を読んでみることです。

 同じ宗祖を取りあげた本でも、さまざまな見方、視点から書かれているでしょうが、何冊か読むうちに、その宗祖のお人柄、信仰のありかた、思想などが少しずつ見えてくるでしょう。その時に、「この方が指し示す道を一生歩いて行こう!」と思えるかどうかがポイントです。

 出家をして、ある宗派に属する僧侶になるということは、宗祖の教えと一生を共にする、少々大げさな言い方をすれば「命を捧げる」ということですから、宗祖の生き方や思想に共感できなければ、僧侶としての人生はむなしいものになるでしょう。

 

 もちろん、お釈迦様の伝記や解説書を読んで、仏教の基本的なものの見方、考え方を把握することも大事です。日本にはたくさんの宗派がありますが、根本的な「仏教的なものの見方、考え方」は大枠で共通しているからです。

 その上で、それぞれの宗派の宗祖が釈迦の教えに、どのようにアプローチしたのかを知るのは「楽しく」、「わくわくする」ことになれば、僧侶への第一歩として良い方向に歩み始めたということだと思います。

 もちろん、仏教は「体験の宗教」です。本からの知識だけでは限界がアッという間にきてしまうかもしれません。そんな時は、無心に掃除をしたり、草引きをしたりするのもおすすめです。

 お寺の境内のお掃除や草引きがきっかけになって、良き師僧に出会えるかもしれません。

 

 私は浄土宗西山派の僧侶ですから、宗祖は法然源空上人(法然上人)です。上人の教えの入門書は山ほどありますが、私のおすすめは,阿満利麿氏の『法然の衝撃』(人文書院)と平雅行氏の『法然』(山川出版社)です。

 二冊とも「典型的」とは言い難いアプローチで法然の生涯と思想を説いていますが、私にとってはとても新鮮で、法然上人の教えと、人間としてのすばらしさが伝わってくる本です。(つづく)