慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

10月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、10月18日(日)10時より行います。テーマは「お釈迦様の一日」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加下さい。

道元さまが慈雲寺にやって来た!!

 上の写真は興聖寺に伝わる、曹洞宗の開祖道元禅師です。

 

 私が慈雲寺に赴任した時、嬉しいと思えたことがたくさんありました。その一つが「講」の存在です。「講」とは、さまざまな信仰を通じて交流する仲間付き合いのことです。慈雲寺の周辺には、念仏講、秋葉講、庚申講など、いくつもの講の活動が続いていて、信仰を通した味わい深い人間関係が残っていました。

 そのうちの一つが「道元講」です。一か月ごとに道元さまのお姿を描いた掛け軸と木魚などのお参り用品をまとめた箱が講のメンバーの家を回っていくのです。

 今まで、慈雲寺は「名誉講員」のような扱いで、実際に掛け軸が回ってくることはありませんでした。しかし、最近は様々な理由で講のメンバーが少なくなっているので、慈雲寺も掛け軸のおもりを実際にさせていただくことにしました。

 

 もちろん、道元禅師は曹洞宗の開祖です。慈雲寺は浄土宗西山派(西山浄土宗)に属するお寺ですから、表向きの関係は薄いと言えるでしょう。しかし、実は不思議がご縁があるのです。

 浄土宗の宗祖は法然房源空上人(法然上人)です。西山派の派祖(流祖)は善慧房証空(西山上人)です。

 道元禅師と証空上人はなんと兄弟!実際の兄弟ではなく、証空上人は同じ久我一門の中から、道元禅師の父である久我通親の養子になったのです。曹洞宗では、道元と証空は「いとこ同士」と説明されているようです。

 この縁で、曹洞宗と西山派は同じ久我竜胆を宗門の紋として使っています。

 道元と証空は20歳近く年齢が離れていますので、養子と言っても実際に一緒に暮らしたことがあるわけではないですし、どの程度交流があったのかも不明です。

 しかし、同じ一門の中から、徹底的に自力で悟りを求める道元と、徹底的に阿弥陀仏の救済にまかせる他力の証空が現れたというのがとても興味深いですね。

 伝説では、証空は自分の弟子の中で、自力にこだわる弟子を永平寺へ送ったことがあるという話もあります。

 

 さて、これから一か月、道元さまのお世話をさせていただきながら、毎朝『修証義』を読ませていただこうと思っています。