慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月26日(10時より)に行います。テーマはお寺をご縁にした”寺縁墓”についてです。

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 遺骨を自分の家のお墓に祀り、子孫が大切に護っていく・・・日本人の遺骨やお墓に対する思いは、この10年あまり大きく変化してきました。納骨堂、合祀墓、樹木葬、そして海などへの散骨・・・さらには骨仏、骨の一部を粉末にして樹脂で固めて「記念プレート」を作る、ペンダントに入れるなど・・・「お墓」の在り方はさまざまです。

 とりわけ、少子化が進む中で、「お墓を護ってくれる人がいなくなる」という心配がさまざまな行動のきっかけになっているように思えます。

 しかし、こんな時代だからこそ、改めて信仰するお寺をご縁として「寺縁墓」を考えてみたいと思います。

 仏教の考え方、生き方に触れるのが寺院です。生きている間にこそお寺を縁を結び、その先に葬儀や埋葬が続いていくのが自然の流れだと思います。

 信仰の友に送られ、信仰の友によって護られていくのが、本来の「寺縁葬・寺縁墓」だと思います。

 皆さまのお気持ちもぜひお聞かせください。

 どなたでも歓迎いたします。

◎今日の写真はウズベキスタン国立博物館で見た、仏塔です。

◎公共交通での慈雲寺へのアクセス
 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分にバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません。「郷前の交差点近くの慈雲寺」とおっしゃってください。慈雲寺を知らないタクシーの運転手もいますので、その場合は郷前の交差点の鍼灸院で降りてください。鍼灸院からお寺の屋根が見えます。

お彼岸のお説教に“阿鼻叫喚”の京都へ

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 お彼岸はどこの寺院にとっても忙しいとき。お墓にお参りにいらした方々が庫裏に立ち寄って下さったり、いつも静かな慈雲寺も雰囲気が少し変わります。

 さて、今年はこのお彼岸の期間中、京都のお寺で彼岸法要のお説教に呼んでいただきました。私は慈雲寺の「少しお参りがいつもより多め」という状況のことだけ考えて、世間のことをすっかり忘れていたのです。

 そう、世間は三連休!寒さもゆるんで、「そうだ京都行こう!」が大いに盛り上がっていたのです。今日の4時過ぎは東京方面に帰ろうとする人たちで、新幹線のホームはいっぱいでした。子供の泣き声、それを叱る親の声、群衆に呆れる外国人グループの声・・・みやびな京都の雰囲気は残念ながら・・・阿鼻叫喚・・・という感じでした。

 JRの切符売り場には「東京までの指定席は本日最終まで売れきれました」とのサイン。僧侶姿、足元は草履、そして、お説教用の衣や袈裟を入れたトランクやお土産の大きな袋を抱えていましたから、混んだ列車はかなり無理・・・と呆然としてしまいました。ついこの間、年頭に東京へ行こうとして、「新幹線の混雑を甘くみない!」と骨身にしみたばかりだったのに・・・三連休の京都・・・甘く見ていた。

 ところが、幸い、名古屋までなら、わずかに指定席が残っていました。おそらく、名古屋から東京までの指定席を押さえている人が多いということでしょう。

 お説教は、聴きに来てくださる方との雰囲気で、同じ話でも全くリアクションが違います。高座に上がった時点で、状況を判断し、その場の雰囲気に合わせてお話ししていくことが大事です。私はまだまだです・・・

 今日も二ヶ所のお寺で、ほぼ同じお話しをしてのですが、全く受け止めていただく雰囲気が違いました。手ごたえの違いを「味わい」に変えていくのが説教師の力量と、「教えをお伝えしたい」という思いでしょう。

 混んだ車内で、「ああすればよかった・・・」と後悔しきりでした。

◎今日の写真は郡上八幡の街中を流れる美しい湧き水の水路です。いつもは静かな水辺も、きっとこの数日は観光客でいっぱいだったことでしょう。

 

お彼岸中、「當麻曼荼羅」の御開帳を続けます。ルーペも使ってください!

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 彼岸明けの23日まで、本堂内で「當麻曼荼羅」の御開帳をしています。

この曼荼羅は、『観無量寿経』というお経に描かれた極楽の様子が細かい筆致で描かれています。「彼岸」とは現世(此岸)の対岸にある極楽のことですから、お彼岸の間に極楽の様子に親しんでいただきたいと思い、毎年、春彼岸と秋彼岸の間に御開帳いたします。

 大きなルーペを用意してありますので、近くで細部までぜひご覧ください。極楽の蓮の花台に生まれて喜んでいる赤ちゃんの姿や、阿弥陀仏のお説法を嬉しそうに聴く菩薩たち、極楽の美しい宮殿の様子などをぜひ!

 この曼荼羅に関する簡単な解説の紙もご用意してありますので、参考になさって下さい。

 なお、慈雲寺の本堂には、いつでも写経をしていただけるように用意しています。どうぞ、ゆったりとした気持ちでご自由に写経をなさって下さい。

 一巻、写経が終わったら、弘法大師様の前に写経をお供えしてください。また、一度に心経を写し終えることができなかったら、名前を書いて、写経用具のそばにある箱に入れておいてください。次回にお参りにいらしたとき、続きを写経することもできます。

「當麻曼荼羅」御開帳のお知らせ

 

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 朝から美しい青空!ご近所のお花屋さんに頼んでおいた仏花を受け取りに行きました。お彼岸のために境内のお墓や宝塔、本堂内のお花を替えるのです。

 お花の活け替えは、いつでもとても楽しい。青空の下で、ちょっと温かな日差しの日ならなおさらです。

 さて、お彼岸の期間中、17日から彼岸明けの23日まで、本堂で「當麻曼荼羅」の御開帳をいたします。本堂の開いている間は、いつでも拝んでいただけますので、ぜひご縁を結んでください。

 この曼荼羅は、『観無量寿経』というお経に描かれた極楽の様子が細かい筆致で描かれています。「彼岸」とは現世(此岸)の対岸にある極楽のことですから、お彼岸の間に極楽の様子に親しんでいただきたいと思い、毎年、春彼岸と秋彼岸の間に御開帳いたします。

 この曼荼羅の原本は奈良の當麻寺にありますが、今回御開帳するのは、原本の四分の一の模写です。曼荼羅ですから、蓮の花の向きから宮殿の形まで、それぞれに意味があります。拡大鏡も用意いたしますから、お近くでゆっくりご覧ください。

◎18日の午前10時からお彼岸の法要をいたします。短い法要の後、この曼荼羅の解説を少しいたします。どなたでも、お気軽にご参拝ください。

 その法要の際、ご先祖の回向を希望なさる方は当日、お知らせください。戒名や法名を書いたものをお持ちいただけるとありがたいです。

◎公共交通での慈雲寺へのアクセス
 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分にバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません。「郷前の交差点近くの慈雲寺」とおっしゃってください。慈雲寺を知らないタクシーの運転手もいますので、その場合は郷前の交差点の鍼灸院で降りてください。鍼灸院からお寺の屋根が見えます。

◎今日の写真は「観経曼荼羅」の一例です。同じく『観無量寿経』(観経)に基づいて描かれていますが、慈雲寺のものとは少し描き方が違っています。

 

明日は先代住職の祥月命日です。

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 明日、3月15日は、慈雲寺の先代、凖眞上人の祥月命日です。この日は、私にとっても人生の大きな転機になった日です。3年前、私はカナダの自宅で次の取材の準備をしていました。その時、日本からの電話・・・凖眞上人が御遷化されたという知らせでした。その日、バンクーバーから日本へ行く飛行機にはすでに間に合わなかったなので、いったんロスアンゼルスまで南下し、日本行の飛行機に乗り換えて、再びバンクーバーの上空を通って日本へ戻りました。

 それからの数か月、私の記憶はとてもあいまいです。様々なことが一度に起きたので記憶として受け入れるキャパシティを越えてしまったかのようでした。

 自転車に乗って買い物などに行ったとき、よく大した理由もなくパタリと転んでいました。その記憶だけが妙に鮮やか・・・

◎ 明日(15日)10時より祥月命日の法要をいたします。先代様にご縁のある方々、どうぞご参列下さいませ。お供えなどのお気遣いはどうぞなさいませんように・・・。短い法要の後に、お茶をご用意いたしますので、先代様の思いで話をお持ちいただければありがたく存じます。

◎今日の写真はカナダで見たローズヒップ。ワイルドローズの実です。

臓器移植について考えました。

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 白内障の手術を受けました。右目がかなり進行していて、左目はまだもう少し持ちそうな感じだったのですが、「入院するつもりなら、両目手術してはどうですか?」と先生からアドバイスをいただいて決意しました。

 私は臓器移植には賛成で、自分が死亡したときに使っていただけるものは全て差し上げたいと思っています。でも、今回白内障の手術を受けるにあたって、自分の水晶体を取り出して、人工のものを入れるというだけなのに、かなり心理的な抵抗があったのには我ながらビックリしました。

 もうこの年になれば、他人の臓器をいただいて手術を受けるという事態にはならないと思いますが(臓器移植は若い人に延命のチャンスを与えるものであって欲しいので)、なんだか今までと違う角度から臓器移植を考えてみたくなりました。

 手術の前の日、「ああ、これが自分の目で見る最後の本かぁ・・・」なんて、変に感傷的になったりしていました。自分の目にメスが入るのが怖くて、そんな風に思えたのかもしれません。僧侶なのに・・・平常心はどうした?!

 しかも「水晶体」だけが「目」ではないし・・・あらら・・・「自分のもの」とか「自分の目」とかにこだわって、自分を脅かしたり、苦しめたりしてたのですね。

 う~~ん・・・これも僧侶としては恥ずかしいなぁ。

 今日は手術後の診察でした。経過は順調とのことだったので、少しホッとしていますが、当分は目が細菌に感染しないように注意が必要なようです。

 私は非常に視力が弱かったので、今回の手術でキッチリ見えるようになったわけではありません。眼鏡とは縁は切れないでしょう。でも、パソコンなどの中距離はしっかり見えるので、嬉しく思っています。

 新しい目を大切にしていこうと思います。

◎今日の写真は近江八幡市にある日牟礼神社に奉納されていたそろばん上達祈願の絵馬です。頭の体操にそろばんが良いとか・・・ご近所のそろばん塾に入門してみたくなりました。

ごめんなさい!満月写経の日を間違えていました!!

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 ごめんなさい!入院ですっかりぼんやりしてしまったせいか、満月写経の日を明日だと勘違いしていました。

 「今日はお月様がきれいねえ・・・明日が楽しみ」なんて思いながら食事に出かけてしまいました。

 無駄足をさせてしまった方々、本当に申し訳ありません。

 これからは、毎朝、しっかりその日の予定を確認してから、行動し始めることにします。

 これに懲りず、ぜひ来月も写経の会においでください。来月の満月は4月11日です。

◎今日の写真は明治10年(1877)に建てられた近江八幡の学校です。白雲館と呼ばれています。私の大好きな「和風西洋館」そのものですね。今は観光案内所として使われているようです。