有松絞りで描いた江戸時代の東海道有松の様子です。
このところ、終末思想の講義の準備をしているのですが、今日は『法滅尽経』というお経を読んでいました。人類の破滅を説く教典はいろいろあるのですが、この870字ほどの短い教典は中でも特に「エグい」。エグいなんて言葉をお経に使うのは不謹慎ですが、この表現がなんともぴったりなのです。
この教典は中国で成立したとされていますが、仏法がほろびようとする末法には、どのような情況になるかが、詳しく、具体的に述べられています。特に僧侶にはかなり強烈な指摘が連なっています。
仏法が滅しようとしているとき、魔道が盛んになり「悪魔が僧侶となり、さまざまなところに入りこみ、仏道を乱し、破壊する」と書かれています。僧侶こそが、仏法破壊の元凶だというのです。
たとえば、「魔僧は俗人の服を着て、袈裟も五色のものを喜んで着るようになる」とか、「ただ財物をむさぼり、たくわえることのみに没頭し、福徳を行おうとしません」などなど、「魔僧」の行いが列挙されています。
寺が荒れるのを見過ごしているなんて指摘もあり、雑草生え放題、掃除も行き届かない私にはぐさりと来るものも少なくありません。
「限りなく味覚を追い求め、慈悲の心がない」など、グルメ自慢の僧侶に厳しい言葉もあり、僧侶同士の憎しみや妬みが増えるのも末法のありさまだと述べています。
勉強しない僧侶、修行を怠ける僧侶、おごり高ぶる僧侶なども、「魔僧」として批判されています。
私にも当てはまることが多々あります。まずは質素な食事から心がけていこうと思いましたが、おいしいお寿司の御供えがあり、今、少々悩んでいるところです。