慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

葬儀場探しより、お坊さんと仲良しに!

◎今日のお釈迦さまのお言葉

「自分のもの」に執着し、あがく人を見よ。

干上がって水の少ない流れの中で、飛び跳ねる魚のようだ。

これを見て、所有欲を捨て、

命に執着せずに生きよ。

今枝由郎訳 『スッタニパータ』より

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 週末の新聞にはたくさん広告のビラが入っています。土曜日には電気屋さんの広告が定番のようです。日曜はスーパー。そして葬儀場の広告も毎週入っています。

 日曜は葬儀場の下見をし、互助会の会員になってお得に葬儀を・・・ということなのでしょうか。最近良く聞くようになった「終活」のスタートが、葬儀場とお墓。ここを決めておけば安心・・・・本当にそうですか?

 死んだあとのことより、「今」の方が大切ではありませんか?今日、ただいまの心の平安こそ、死後の「後始末」の心配より大切でしょう。葬儀場の手配をするなら、菩提寺の和尚さんと仲良くなって、仏教の教えを聞かせていただいたり、さまざまな形でお寺に協力した方が良いのではないですか?

 葬儀場が決まっても、葬儀をしてくれるお坊さんを探せなくて、葬儀場に「坊主派遣」を頼むなんて、これこそ情けないことでしょう。日頃、ご縁を結び、尊敬できる僧侶に心を込めて読経してもらってこそ、葬儀が人生を締めくくり、新たな旅立ちをするにふさわしい儀式となるのです。形だけ祭壇を整えるのなら、いくら「お安く」なっても「お得」にはならないでしょう。

 お盆やお彼岸の時だけでなく、お墓にお参りに行きましょう。お寺行ったら、本堂にお参りし、和尚さんとお話ししてみましょう。お寺はご先祖の供養する場であることはもちろんですが、何より生きている人の心の安寧のための場なのです。

●今日の写真は、霧の中から現れた巨大な氷山。北極海の夏の風景です。