慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

朗読の功徳

 

f:id:jiunji:20160530234646j:plain

朝のお勤めでお経を読むと、その日の自分の体の調子や心のありようが良くわかります。声にのびがあって、心地よく響いてくる日は体の調子の良いときです。今日も一日、お念仏を喜ぶ暮らしができると思うと、嬉しくなってきますね。

 最近、脳の活性化をうながす「生活のコツ」を述べた本を読みました。栄養や生活習慣など、さまざまな「コツ」があるようですが、私が注目したのは「朗読」の効果です。文字を追い、声に出して読み、それを自分の耳で聞くことによって、脳が活性化するというのです。

 私は以前から、お経は例え暗記をしていても、きちんとお経巻を読んで、意味を思いながら称えるべきだと思っています。お経はおまじないであはありませんから、暗記したものをただ猛スピードで口に出すだけでは、本当に意味があるのでしょうか?

 どのお経も、お釈迦さまがお説きになった真理への道ですから、どれが優れているということはないでしょう。しかし、慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)では、浄土三部経のうち、特に『観無量寿経』を大切にしています。この経典が、凡夫の往生について述べたもので、阿弥陀仏の願いが鮮やかに示されているからです。

 「お経は何が書いてあるのかチンプンカンプン」と思う方もいらっしゃるでしょう。まずは現代語訳を読んでみてはいかがですか?角川や岩波から良い現代語訳が出ています。文庫本ですが、文字の大きな大判もありますよ。

 お経はそれぞれ一つのストーリーになっているものがほとんどです。『観無量寿経』も親子の愛憎、家族だからこその悩みが語られていて、現代にもそのまま当てはまるような話です。

 長いお経でも、少しずつ分けて読んでも良いのです。疑問があったら、ぜひご縁のある僧侶に質問をしてください。お寺に僧侶がいるのは、みなさんと「一緒に考える」ためなのですから・・・

 そして、ぜひ本堂で大きな声でお経を読んでください!音響効果の良い本堂で大きな声で読むととても気持ちが良いですよ。

〇今日は京都の京極にあるお寺で見た絵馬です。安産を祈願する絵馬がギッシリ並んでいました。