慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

ご縁は「直接会って」深めていきましょう

 

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 ラインやフェイスブックで何百人の「友」がいても、人はさみしさを埋めることはできるのでしょうか?自分が出したラインのメッセージに「既読」がなかなか付かないとイライラし、付いたら「返事が遅い」と不安になる・・・・先日、電車に乗っていると車両の中の多くの人が背を丸めてスマートフォンにしがみつくように見入っていました。

 一方、同じ車内にいても本を広げて読んでいる人(圧倒的に少数派ですが)は、どことなく余裕が感じられる気がしました。時々本から顔をあげて、何か考えているようなしぐさも生活の充実さを示しているようです。もちろん、試験に備えて参考書を読んだり、仕事の資料で仕方なく本を読んでいたのかもしれませんが・・・・

 携帯電話はとても便利なもので、もうそれ無しの生活を考えるのが難しいほどです。しかし、SNSでつながる縁はしばしば脆くて、かえって孤独感を深めるように思えてなりません。

 文字を書いて糊口をしのいでいる私が言うのは少しまずいかもしれませんが、やはり文字で書かれたものは心を表現するのに十分とはいえません。例えば「ありがとう」という感謝の言葉でも、ラインで告げるのと、直接会って相手の目を見て、笑顔と一緒に感謝の言葉を伝え、頭を下げるのでは全く伝わり方が違うでしょう。

 このところ、高校時代の友人と再びご縁が結ばれることが増えました。高校を出てから40年以上たつのですから、「とりあえず、ここまで生きてきたのだから嬉しいよね。」という思いを共有する友情の再開は、とても温かく、ご縁の広がりに感謝しないではいられません。メールや電話でのやり取りもご縁をつなぐのには大切な手段ではあるけれど、やはり、「会って話す」のに勝るものはないでしょう。

 人の命は儚いものです。「いつか」と思っていると大切な機会を逃してしまうかもしれません。どうか、あなたも会いたい人に会って思いを伝えてください。

◎今日の写真は先日ご近所の花屋さんからいただいた盆梅です。きれいに満開になりました。