先日ご近所のパン屋さんへいったら、とても可愛らしい平たいおかしのようなものを売っていました。添えられたカードには「パン屋さんのおこしもの」と書いてあります。そのときは、「可愛らしい」と思っただけで、それが何なのか聞き損いました。
そして昨日、ご近所の方が「近くに住んでいる人たちが集まって、お年寄りにおこしものの作り方を教わったので、作ってみました。」とお寺に持ってきてくださいました。春らしい色合いの米粉のお菓子のようです。
このときも、「おこしものってなんですか?」と聞きそびれてしまい私の中では「謎のお菓子」となってしまいました。
しかし、今日の新聞の折り込みチラシで謎が解けました!どうやら、「おこしもの」は三河・尾張地方独特の雛菓子のようです。米粉を練って木の型に入れて、花や人形など、さまざまな形にし、蒸して仕上げます。型からはずす(起こす)作業のことから「おこしもの」と言われるようになったそうです。
昔は菱餅は飾るだけ。ひな祭りのお菓子と言えば、この「おこしもの」だったとか・・・・私は東京育ちなので、「おこしもの」という言葉を聞いたこともありませんでした。
こうして、その地方の習慣になっているものを届けていただけるのは、とても嬉しいことです。少しずつ、地元のコミュニティに入れていただいているような気持ちになります。
みんなで集まって何かをするときに、お寺を会場に使っていただけたら嬉しいです。慈雲寺の台所は、かつて何十人もの方にお食事をお出ししたことがあるほど広いので、「おこしもの」の講習会などにも使っていただけますよ。どうぞご遠慮なく、お声掛けください。
◎今日の写真は東山動植物園でみた「シナマンサク」の花です。黄色の部分が花びらなのか、真ん中の紫の部分が花なのか・・・不思議な形をしていますね。良い香りがすると解説板に書かれていますが、香を聞けるほど近寄れなくて残念でした。