慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

夜半の嵐に舞う桜

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 上の写真は、慈雲寺から500mほど北にある同じ宗派のお寺、長福寺の桜です。長福寺は桶狭間の戦いの後、今川義元の首実検が行われたお寺として有名です。ここのご住職は、慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)の若手を代表する学僧。私もしばしば教えを受けている方です。

 今朝、本堂を明けようとして庫裏と本堂を結ぶ橋を渡っていたら、可愛らしい桜の花びらが何枚も落ちていました。慈雲寺には桜はありませんし、ご近所にも半径100mの範囲にはなかったはずです。

 昨夜、ゴーゴーと音がするほど強い風が吹きましたから、それに乗って旅してきた桜でしょう。せっかく仏様の近くまで飛んできたのですから・・・拾い集めて阿弥陀様にお供えしました。

 今年は桜が開花してから寒い日が続いたので、東京で満開のニュースを聞いても、慈雲寺周辺の桜はゆっくりゆっくり花を開いて行きました。

 それでも、ここ数日の温かさに満開に。日曜日は来年の桜だよりのために写真を撮って回りました。花だより用の写真は一年前から用意しないと、私が働き始めた新聞は月二回発行なので間に合わないのです。

 ご近所の桜の名所を訪ねるのは楽しい。なんだか、35年前の「新米記者」の暮らしが思い出されてワクワクしてきます。

 満開になるのを待たずに写真を撮りに行って正解でした。昨夜はまさに「夜半の嵐」。咲き誇る桜も一夜にして散ってしまうという「無常」の教えです。

 それだからこそ、今日、今の瞬間を大切にしていきましょう。美しい命、美しいものに目をとめる心の穏やかさを悦びましょう。

 花に目をとめる心の余裕がない・・・と思える日は、お寺においでになりませんか? 本堂に上がって、広々した空間の中で、阿弥陀様に向かって手をあわせ、ゆっくり呼吸するだけで、きっと気持ちに変化が出てきますよ。

 お墓参りもお勧めです。セットになった仏花ではなく、亡くなった方の好きだった花を選んでみるのがおすすめです。