慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

坪庭の秋に気が付く

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 今朝も冷たい風が吹いていました。夜明けがずいぶん遅くなったような気がします。空が明るくなったら、山門を明け、ポットに熱いほうじ茶を入れて本堂へ運びます。本堂にお参りに来てくださる方が、一服して下さるといいなぁ・・・と思いながら。

 本堂は暖房もなく寒いです。入口を入って右側の隅にひざ掛けやホカロン、靴下カバーなどを置いています。靴下カバーを一枚重ね履きするだけで、けっこう暖かくなりますよ。お使いになったホカロンやカバーはどうぞお持ち帰りください。これらを買うお金は毎月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を聴きに来てくださる方々からのご喜捨です。講座は無料ですが、お賽銭箱にご喜捨してくださる方が多いのです。とてもありがたく思っています。このご喜捨で、椅子の上の小さな座布団やひざかけ、ホワイトボードなどをそろえることができました。

 本堂を開けた後は、寺務所の掃除をするつもりだったのですが、あまり成果があがりませんでした。今朝の新聞で、アメリカの銃の乱射事件を知ったからです。「テロ」という言葉が飛び交い、イスラム過激派という表現も出てきます。まだ事件の背景が充分に分かっていない現時点で、イスラム教徒を名指しでテロリスト扱いするのを見ていると、背後に何か意図的なものがあるのではと疑いたくなります。イスラム教徒やアラブ系の人々に無暗な「報復」が行われないことを祈らずにはいられません。

 さて、今日はちょっと驚いたことがあります。慈雲寺には庫裏と本堂の間に小さな庭があります。手入れをすれば美しい坪庭なのですが、私がここにきてからほったらかし状態です。申し訳ないという気持ちのせいか、普段じっくり庭を見たりしないのですが、今朝になって、この庭の植え込みがきれいに紅葉しているのに気が付いたのです。それは鮮やかなオレンジとルビーのような赤の入り混じった美しい色合いです。桶狭間周辺の楓や桜の紅葉は気にしていましたが、目の前の美しい景色には気が付きませんでした。

 心が向いていないと、目の前にあっても見えないのですね。自分の「今」に丁寧に向き合うのも仏教の大切は教えです。私が心配りすべきものを庭の木々が教えてくれました。

◎今日の写真はカナダの首都オタワで見た紅葉です。後ろのお城のように見えるのは、シャトー・ローリエというホテルです。