今日から仕事始めだった方も多いことでしょう。私も用事があって郵便局へ行きました。お休みあけの初日ですし、まだ年賀状を買いにくる人もいるようで、小さな郵便局は待合の椅子もいっぱいなほどの混雑でした。
そこに、50代ぐらいの男性がやってきました。振込みを頼みたいようなのですが・・・そのまま真っ直ぐ窓口へ行こうとします。ご存じのように、今、郵便局ではゆうちょ銀行や振込などの業務を頼みたいときは、まず入口で番号札を取り、順番を待つシステムです。その男性は、この手続きを知らなかったのでしょうか?銀行でも同じなのに・・・・う~ん。
無理やり窓口の人と話そうとしますが、当然「番号札を取ってお待ちください」と言われる。とたんに彼の表情が変わります。最初は椅子に座っていましたが、だんだんイライラした表情で歩き回ります。彼の番が来て、窓口の人に書類に簡単な不備を指摘されると、驚くほど大きな声で怒鳴ります。「怒声」という言葉がぴったりな声でした。
窓口の女性はそれでも落ち着いた表情でしたし、すぐに男性の局員がフォローに入り、なかなか的確な対応だったと思います。
お正月なのに、この男性はなぜ怒りに満ちていたのでしょうか?待たされると突然大きな声を上げる人に、このごろしばしば出会います。待たされるのは誰でも愉快ではないですが、穏やかな気持ちで待てないのはなぜなのでしょう?
仏教では「怒り」というものを毒蛇の毒よりも危険なものと考えます。「怒り」は何より先に、その人自身を傷つけるからです。郵便局の男性も、大声を上げたからといって、スッキリしたわけではないでしょう。怒っても順番が早くなるわけでもない・・・・
今日の男性の怒り方は、長く待たされたという状況を考えても少々異常だったように思います。ひょっとしたら、認知症の初期症状では?急に怒りっぽくなったりするのも、認知症の症状の一つと、最近読んだ本に書いてあったのを思い出してしまいました。家族にも、あんな怒りをぶつけていないのか心配・・・なんだか、気になるなぁ。
心に怒りを抱えてしまったら、ぜひお寺においでください。写経などを通して、怒りを「抑える」のではなく、心を整えて行きましょう。
◎今日の写真は岐阜市内にある旧日下部家の門灯。明治や大正時代の洋館を見るのは私の楽しみの一つです。