慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

沈黙の時間こそ大切

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 昨年から、名古屋駅の近くにあるお寺で行われているカウンセリングのワークショップで勉強を始めました。日本の「カウンセリング」の草分けの一人でもあるT先生の指導を受けながらの日と、ワークショップの仲間での自主勉強会が交互に行われます。 

 このお寺では、普段から「こころの相談室」として、人々の心の声に耳を傾けるカウンセリングを行っています。この相談室もワークショップも僧侶が参加していますが、大部分は一般の方。サラリーマンから看護師、主婦など仕事もさまざまです。

 ワークショップといっても「授業」形式ではなく、みなで自由に話しながら学びあい、教えあいます。ときどきT先生が鋭い指摘をなさり、場の流れがスッと整っていきます。

 「仏教カウンセリング」とか「傾聴」という言葉はメディアでしばしば取り上げられるようになりました。しかし、まだまだ実態はあいまいのようです。

 しかし、慈雲寺にもたくさんのかたがたが「お話」にいらっしゃいます。皆様のお気持ちをしっかり受け止め、解決策をともに模索していく僧侶になりたいと思っています。

 T先生は相談に訪れる人が完全に自由な気持ちで語れるような「場面設定」をすることが大切と教えてくださいます。そのためには、相談する方が考え込んだり、表現する言葉を捜してる「沈黙の時間」が大切なようです。

 私はまだまだこの「沈黙」の時間を把握できなくて、つい話しの先を促すような言葉が出てしまいます。心の中の思いを言葉にするのは、本当に大変です。まだまだ道は遠いですが、クライアント(相談に訪れた人)への敬意を忘れず、その方々の思いに寄り添う僧侶になりたいと願っています。

◎今日の写真はカナダで見た春咲きのバラ。お隣のベンチでのんびり眺めてみたいですね。