慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

来年こそは地蔵盆を行事に!

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 昨日(24日)は地蔵盆でした。私は東京で育ったのですが、その周辺には地蔵盆の習慣がありませんでした。しかし、父の故郷である広島の町には地蔵盆をかなり盛大にする習慣がありました。夏休みに祖母の家に長期滞在することがあって、その時に、何度か地蔵盆を経験しました。

 地蔵盆の当日は、それぞれの街角にあるお地蔵さまをその周辺に住む子供たちがきれいに飾りつけ、お供えなどをして、お地蔵さまの周辺でお菓子を食べたりしながらお守りをします。夜になっても、その日だけはお地蔵さまの周りで遊んでいられるのです。もちろん、地元の子供ではない私は仲間には入れてもらえなかったので、なんだかとてもうらやましく思ったものです。

 また、私が慈雲寺に赴任してからは、半田市常楽寺地蔵盆に参加したことがあります。子供たちが輪になって、大きな数珠を繰る数珠繰りをしていました。これもとてもたのしそうだったのです。

 ぜひ慈雲寺でも地蔵盆を行事の中に入れたいと思っていますが、なかなかうまく企画できませんでした。これも私がぐずぐずしていたせいなのですが・・・・せめて、と思ってお菓子を用意しました。お地蔵さまのところに「今日は地蔵盆ですので、お参りにいらしたお子さんにお菓子を用意しました」という張り紙をしました。どうやら、15人ほどの方がお菓子を持って帰ってくださったようです。

 来年の地蔵盆には、数珠繰りやお地蔵さまのお話しなど、ぜひ子供たちがお寺に来てくれるきっかけにしたいと思っています。

◎今日の写真はカナダのバンクーバーにあるクィーン・エリザベス公園の花壇です。日差しがとても強いように見えるでしょうが、湿度が低いので、カラリとした気持ちの良い日でした。

 

「会いたい」という気持ちが起きたときは行動が大事

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 先日亡くなった伯母のことを考えています。父はこの伯母ととても親しかったのですが、東京にいる父も歩くことが難しくなってきたので、なかなか会いにいけません。ですから、私が会いに行って様子を父に知らせてあげたいとずっと思っていました。

 伯母がなくなる、つい数日前にも母と「来月、関西に仕事とに行くのでおばちゃんに会いに行こうと思う」と話していたばかりでした。しかし、私が行動を起こすのが遅かったために、最後に会うチャンスを逃してしまったのです。

 私はもともと僧侶としては恥ずかしいほど「愚図」なので、思いはたくさんあってもなかなか行動に移せません。「部屋の掃除をしなければ・・・」と思いつつ、何か月もグダグダのままとか・・・

 しかし、仏教は「行い」が大切です。観念的なことだけでなく、お釈迦さまがお示しになった、「悪いことをひかえる、良いことをする、他の人々のためにできることをする」という教えを実行することが仏教の基本なのです。ですから、「お見舞いをしたい」と思うだけではなく、実際に会いに行くという「行為」こそが仏教徒の生き方なのです。

 たとえ寝たきりになったとしても、お念仏という「行為」はできるでしょう。人々の平穏な暮らしを願い、供養の念仏を「口で称える」のがお念仏です。

 法然上人が浄土宗の念仏は「観念の念」ではないと教えてくださっているのは、ここがポイントなのです。仏の名を口に「称える」という行動が大事です。

 人の命ははかないものです。「会いたい」という気持ちが起きたときは、まず行動しましょう!実際に会いに行けない事情があるなら(本当はなんとかやりくりして行動を起こすことはできるのでは?)手紙でもメールでも、電話でも・・・・ともかく行動を起こしましょう。

◎今日の写真はカナダのブリティシュ・コロンビア大学のキャンパスで見たバラです。

9月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のお知らせ。テーマは「お彼岸の迎え方」です。

 今日は8月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」の日でした。早朝からぐんぐん気温が上昇していましたが、今月もたくさんの方々においでいただくことができました。最近倉庫の奥で発見した巨大な扇風機も大活躍。みなさんに喜んでいただけました。

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 来月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」はお彼岸の入りの直前、9月18日に行います。テーマはお彼岸の迎え方です。お彼岸は実は日本独自の宗教行事です。先祖を大切にする日本の文化が生んだ意義深い慣習だと思います。そして、その中に仏教的な教えも十分に溶け込んでいるのです。

 お彼岸の仏教的な意義を改めて考えてみましょう。

 

9月18日日曜日、10時から行います。どなたでも、お気軽にご参加ください。

◎今日の写真は京都の京極にある誓願寺の絵馬です。ここは芸事上達の祈願で有名で、絵馬も扇子の形をしています。

8月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマは「お地蔵さまって誰ですか?」です。慈雲寺へのアクセス

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 8月の講座は21日の日曜日、10時より行います。天気予報ではかなり暑くなりそうですが、お寺の本堂は風が通って少し楽です。しかも!倉庫を掃除していたら、巨大な扇風機を二台発見!けっこう活躍してくれそうです。

 さて、8月のテーマはお地蔵さまです。お地蔵さまは私たちにに最も身近な菩薩さまの一人ですが、どんな方なのか改めて学んでみましょう。

 慈雲寺の講座は、どなたでもお気軽にご参加ください。無料です。

 

◎公共交通での慈雲寺へのアクセス

  申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。

 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。

   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。

●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分

●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません。「郷前の交差点近くの慈雲寺」とおっしゃってください。慈雲寺を知らないタクシーの運転手もいますので、その場合は郷前の交差点の鍼灸院で降りてください。鍼灸院からお寺の屋根が見えます

 

◎今日の写真は慈雲寺の庫裏玄関においでになるお地蔵さまです。ご近所の花屋さんが彫ってくださったそうです。やさしいお顔で私を迎えてくださいます。

伯母をお浄土へ見送る

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 お盆が終わってボンヤリと痛んだ膝を撫でていたら、伯母が亡くなったと知らせを受けました。最近、大分弱っていたので、近々お見舞いにいきたいと思っていたところでした・・・・会いたいという気持ちになったときは、ともかく最優先で会いに行かなければいけませんね。私が僧侶になったことを何より喜んでくれた伯母だったのに・・・

 伯母は法華系の新宗教の熱心な信者だったので、その信仰仲間がお通夜をしてくださるとのことでした。私は略衣を着て、一応葬儀用の衣や袈裟も持っていきました。読み下し文にした法華経を読み上げるだけのシンプルなお通夜もなかなか良いものでした。法華経のパワフルな内容が心に響いてくるからです。私たち浄土系の僧侶もお経を暗記して早く読誦することより、内容をわかりやすく伝える努力も必要だと思いました。

 お通夜が終わり、当然翌日の葬儀も信仰仲間の方がしてくださるのだと思ったら、「明日は私たちは参列しません」と言われたのでビックリ。どうやら、伯母の属していた宗教団体は、それぞれの信者がもともと属していた菩提寺を否定したり、仏壇を廃棄させたりはしないらしい。葬儀は菩提寺から和尚さんを呼んでください・・・という方針のようでした。少し驚きましたが、それも一つの考え方です。「法華経が最高、最終のブッダの教え」と考えるので、全てをカバーしているということなのでしょう。ですから、僧侶がどのお経を称えても良いということかな?

 それでは・・・というわけで、私が衣をつけ、『浄土三部経』で伯母を送り出しました。葬儀を独りで全て行ったのはこれが初めて。「私でしっかり練習しなさい」という伯母の最後の贈りもののような気がします。

 やはり生きているうちに会いに行くべきだったと今、少しずつ哀しみが深まっています。

◎今日の写真はカナディアンロッキーのコロンビア大氷原から流れ出している氷河です。

 

 

8月21日(日曜)の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のお知らせと慈雲寺へのアクセス

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 8月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は私たちに最も身近な菩薩さまである地蔵菩薩について改めて学んでみましょう。慈雲寺でも墓地の入口にお祀りしているお地蔵さまはいつでも人気です。お墓参りにやってきた子供たちも必ず手を合わせてくれます。  地蔵菩薩は地獄へまでも降りて行き私たち迷える衆生、とりわけ子供のうちに亡くなってしまったり、生まれる前に亡くなってしまった水子たちを護ってくださるといわれています。

 「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は8月21日日曜日、10時より行います。どなたでも歓迎いたします。無料。

 

 また、8月24日は地蔵盆です。地蔵寺では特別な行事はいたしませんが、子供たちのために本堂の入口にお菓子を用意しますので、ぜひお参りにいらしてください。

 

 

 

◎公共交通での慈雲寺へのアクセス

 

 

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。

 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。

   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。

●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分

●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません。「郷前の交差点近くの慈雲寺」とおっしゃってください。慈雲寺を知らないタクシーの運転手もいますので、その場合は郷前の交差点の鍼灸院で降りてください。鍼灸院からお寺の屋根が見えます。

◎今日の写真はウズベキスタン仏教遺跡で発見されたお釈迦さまのお弟子の石像です。

“一族郎党”でお墓参り!

 

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昨日はとても嬉しいことがありました。午前中の棚経から、ちょっとヘロヘロになって戻ってきたら、慈雲寺の墓地にもたくさんの方がお参りにいらしていました。

 「本堂に麦茶がありますので、どうぞ一休みしていってください。」とお墓参りの方に声をかけました。しばらくすると本堂から楽しそうな声が聞こえてきました。

 なんと20人近くの方が本堂に上がってくださっています。慌ててお茶碗と追加の麦茶を運びました。どうやら、お盆でご本家に集合した「一族」の方々がご一緒にお墓参りにいらしたようです。

 これぞ、私の理想!!一族の「刀自」のような風格のあるおばあさんから小学生の子供まで、本当に楽しそうに談笑しているのです。いいなぁ・・・こんな楽しいお墓参りの思いでがあったら、子供たちが大人になったときに、「お墓を護っていこう!」と考える人がきっと出てくることでしょう。

 お寺参りやお墓参りが楽しい、心豊かになれる体験になるようにお手伝いするのがお寺の役割ですね。

 どうぞ、これからもこんな風に、お寺を「楽しむところ」、「癒しの場」として利してください。そのために、慈雲寺の本堂は昼間、いつでもお参りしていただけます。夏は麦茶、冬はお茶をご用意してあります。どなたでも一休みなさってください。

 阿弥陀様と向き合ってゆっくり祈るのもよし、手ぶらで写経をしていただける用意もしてあります。

◎今日の写真は愛知県の西尾市の旧市街の町並みです。なんだか江戸時代みたいですね。