慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

6月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、6月16日(日)10時より行います。テーマは聖徳太子と仏教です。父の日に、日本仏教の父とも言える聖徳太子についてご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「ひとりだけど 独りじゃない」・・・・ちょっと気になるキャッチコピー

あちこちの溜池で睡蓮が咲き始めました。慈雲寺の水鉢の睡蓮ももうすぐ開花しそうです。

 先日、ある旅行会社のパンフレットが郵送されてきました。表紙にかかれたキャッチコピーが「ひとりだけど 独りじゃない」でした。

 そのパンフレットは、一人参加限定のツアーを集めたものでした。一人旅はしたいけれど、交通や宿の手配は面倒。かといって、友達同士で賑やかに参加しているツアーで一人参加というのは少々気詰まり・・・と思う人も多いようで、このごろ、こうした「おひとりさま限定ツアー」の宣伝をよく見かけるようになりました。

 

 「ひとりだけど 独りじゃない」というのは、なかなか良くできたコピーだと思います。どんなコピーライターが頭をひねったのでしょう?それとも旅行会社の社員が、ふと思いついたのでしょうか?

 

 阿弥陀様の「御利益」について聞かれたりしたとき、私は良くこのキャッチコピーと似たお話をします。

 阿弥陀仏は、一切の条件をつけずに、全ての衆生を極楽に救い取ると誓って修行なさり、その誓願の全てを成就して仏となられた方です。

 私たちは、この身、このままで救っていただけるのです。私たちのありのままの姿を受け止めて下さるのです。

 私たちは、自分をありのままに理解してもらえないとか、認めてもらえないとか感じると、深い孤独に悩まされます。また、「独りで生きて行こう!」と過度にいきごんだり、「本当の自分探し」などに過度に拘ると、いきづらさを感じてしまいます。

 家族やたくさんの友達に囲まれていないと、なんだかとても不安になるという人もすくなくありません。

 しかし仏教では、「人は独りで死んで行く」という現実をしっかり見つめよと教えています。私たちは一人で歩んでいかなければならないのです。しかし、私たちをありのまま受け入れて下さる阿弥陀仏のお慈悲に包まれていれば、ひとりでも、独りではありません。

 ひとりで阿弥陀仏と向かい合うのも嬉しいし、ご縁のある人と一緒に手を合わせるのも楽しい。阿弥陀仏はけして私たちをお見捨てにはなさらないのです。