お釈迦様の故郷ネパールが壊滅的な大地震に襲われてから今日で一か月です。慈雲寺に設置ていただいた「ネパール地震義捐金募金」の箱には、多くの方からの義捐金が寄せられています。今月末でいったん集計して公益社団法人の「日本ネパール協会」の特別支援口座に送らせていただきます。
しかし、今朝の中日新聞によると、一か月たった今もネパールでは強い余震が続いており、首都のカトマンズから離れた地域には支援が届きにくい状況のようです。絶望感から酒に現実逃避してしまう人も増えていると記事には書かれていました。阪神淡路大震災のときも、東日本大震災のときも、本当に必要な支援が、必要な人々に届くまでは長い時間がかかったようですから、ネパールの人々の苦しみは想像するだけで胸が重い哀しみでいっぱいになってしまいます。
昨日は「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を慈雲寺で催しました。テーマは「仏教は“幸福”や“成功”というものをどう考えるか」というものでした。物質的なものを“幸福”や“成功”の証しと思っているかぎり、それを一瞬で失う危険は消えることはありません。「心を耕して豊かになること」の大切さをお話ししたのですが・・・・家族や家を失い、仮設のテントや食料も十分に届かないネパールの人々に「心を耕せ」というのは酷だというのも現実です。
ネパールの多くの人はヒンドゥー教徒ですが、仏教徒も10%ぐらいいると聞いています。信仰によって現実と向き合う力を得ることを祈らずにはいられません。
慈雲寺の募金箱はこれからも続けますので、ご協力をお願いいたします。
●今日の写真はデンバーの博物館で見た、牛の石像です。ヒンドゥー教の寺院に置かれていたものでしょうか?