慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

良寛さまの「不妄語戒」の教え Part 2

 「不妄語戒」は、仏教徒として生きるご縁をいただいた全ての人が守らなければいけない行動規範である「五戒」の一つです。

 普通は「嘘をつかないこと」という戒めとされていますが、良寛禅師は「これも妄語だ!」という例を90種類も上げておられます。どれも、なかなか厳しいもので、ハッと胸に思い当たるものばかりです。

 例えば、「てがらばなし」や「じまんばなし」が妄語だということは良くわかりますね。しかし、「いきもつきあわせず物いふ」というのはどうでしょう?

 息つく暇もなく話し続けるというのも「妄語」だというのです。よく考えもせずに、矢継ぎ早に話せば、たしかに「妄語」も増えてくるでしょうね・

 この他にも、「子どものこしゃくなる」、「老人のくどき」、「わかいもののむだばなし」の三つが並べてあげられています。老人がくどい話を繰り返すのを聞いている良寛さんの顔が見えるようです。また、子供好きというイメージの良寛さまですが、こまっしゃくれた子供は苦手のようですね。

 思わず笑ったのは、「このんでから(唐)言葉をつかふ」というものです。今だったら、やたらに英語などの横文字語を話しに入れてくる「外国かぶれ」ということでしょう。良寛さんの時代にも、教養をひけらかして漢語を乱用する人がいたようです。ついでに、「いなかものの江戸ことば」も指摘していますよ。

 さらには「学者くさきはなし」や「茶人らしきはなし」も「妄語」だと良寛さまは言い切っています。そして、「さとりくさきはなし」というのもちゃんと挙げています。

 どんなお坊さんが、良寛さんの前で「さとりくさきはなし」をしたのでしょうか?

 

 さて、私も90箇条をじっくり読んで、ゆっくり話をするのを心がけるようにしましょう。