慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

12月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、12月15日(日)10時より行います。テーマは、「『一枚起請文』に学ぶ法然上人の教え」です。どなたでも歓迎いたします。」お気軽にご参加ください。

花盛りに酔う・・・でもお酒を飲んでるわけではありません。

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 慈雲寺の境内は今、ツツジの花盛りです。私はこのお寺に赴任するまで、ツツジはあまり好きではありませんでした。紫とピンクを混ぜたような、派手な色が苦手だったのです。しかし、慈雲寺の裏庭にある薄い桃色の木は、大のお気に入りになりました。

 毎朝、お本堂の扉を開けるときに、ちょうど朝日が花にスポットライトを当てるように輝きます。蕾が開いたばかりのような時が特に美しいですね。

 ツツジのように、派手な花が咲いていると、つい他の花の盛りを見落としていまいます。慈雲寺の境内はそれほど広いわけでもないのに・・・今年はボタンの花盛りを見逃してしまったようです。今朝、裏庭に出てみたら、もうすでに散りかけていました。このボタンは、気まぐれに株分けして、そのまま手入れをせずに放っておいたものです。それでも、懸命に咲いていたのに・・・

 これからしばらくは、次々と花盛りがやってくるので、まさに花に酔う毎日です。もっと小まめにご近所を散歩して、花を楽しむべきでしょうね。

 「酔う」と言っても、お酒を飲むわけではありません。仏教徒は五戒という五つの戒めを守ることが行動規範の基本です。その基本の五戒の中に、不飲酒戒があります。お酒を飲んではいけないという戒めです。酔っぱらってしまうと、正しい行いがしにくくなるからです。

 しかし、この戒めについて法然源空上人(法然上人)は、「飲酒は避けるべきことではありますが、”世の習い”なので」とおっしゃっています。もちろん、これは一般の仏教徒の人たちに向けてのお言葉。僧侶はやはり飲酒はできるだけ避けるべきです。

 私はどうやら、お酒が好き・・・と思われているようですが、実はほとんど下戸。ワイングラス一杯、日本酒二分の一合が限界です。なので、不飲酒戒は私には難しくありません・・・花の美しさに酔うだけで十分です。

◎今日の写真は福岡の街角で見た藤の花です。私は藤が大好きなので、とても楽しみ!