慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

花盛りに酔う・・・でもお酒を飲んでるわけではありません。

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 慈雲寺の境内は今、ツツジの花盛りです。私はこのお寺に赴任するまで、ツツジはあまり好きではありませんでした。紫とピンクを混ぜたような、派手な色が苦手だったのです。しかし、慈雲寺の裏庭にある薄い桃色の木は、大のお気に入りになりました。

 毎朝、お本堂の扉を開けるときに、ちょうど朝日が花にスポットライトを当てるように輝きます。蕾が開いたばかりのような時が特に美しいですね。

 ツツジのように、派手な花が咲いていると、つい他の花の盛りを見落としていまいます。慈雲寺の境内はそれほど広いわけでもないのに・・・今年はボタンの花盛りを見逃してしまったようです。今朝、裏庭に出てみたら、もうすでに散りかけていました。このボタンは、気まぐれに株分けして、そのまま手入れをせずに放っておいたものです。それでも、懸命に咲いていたのに・・・

 これからしばらくは、次々と花盛りがやってくるので、まさに花に酔う毎日です。もっと小まめにご近所を散歩して、花を楽しむべきでしょうね。

 「酔う」と言っても、お酒を飲むわけではありません。仏教徒は五戒という五つの戒めを守ることが行動規範の基本です。その基本の五戒の中に、不飲酒戒があります。お酒を飲んではいけないという戒めです。酔っぱらってしまうと、正しい行いがしにくくなるからです。

 しかし、この戒めについて法然源空上人(法然上人)は、「飲酒は避けるべきことではありますが、”世の習い”なので」とおっしゃっています。もちろん、これは一般の仏教徒の人たちに向けてのお言葉。僧侶はやはり飲酒はできるだけ避けるべきです。

 私はどうやら、お酒が好き・・・と思われているようですが、実はほとんど下戸。ワイングラス一杯、日本酒二分の一合が限界です。なので、不飲酒戒は私には難しくありません・・・花の美しさに酔うだけで十分です。

◎今日の写真は福岡の街角で見た藤の花です。私は藤が大好きなので、とても楽しみ!