慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

自己顕示欲をくすぐられる?!

 

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先日、お寺にある雑誌社から電話がありました。開口一番「コミュニティのリーダーの方を対象にしてインタビューをさせていただいています。対談のお相手は○○さんという女優さんです。」とおっしゃるので、いつ私がコミュニティのリーダーになったんだ?と疑問がいっぱい。第一、慈雲寺が尼僧寺院だということも知らないみたいなのに、なんでリーダーだって知っている?

 正直、インタビューと聞いてちょっと嬉しくなったのは否定できません。でも、タレントがどうとか言い出したところで疑問がいっぱい。しかも、一般書店に売っている本ではなく、病院の待合室などに置いてある雑誌だそうです。ふ~~~む・・・つまり広告で成り立っている無料誌ですね。ということは、対談をしても、こちらが出演料をいただくのではなく、反対にこちらから「取り上げていただくお礼を出す!」っていうシステムですね。

 と、気が付くまでに90秒ぐらい。その間は私の中の自己顕示欲が大いにくすぐられてしまいました。僧侶としてはかなり恥ずかしい。

 「その雑誌に取り上げていただくと、こちらから何か協力させていただかなければいけないのですか?」と聞くと、電話の相手は少しビックリしたようでした。お金の話はインタビューが終わってからするつもりだったのでしょう。可愛らしいタレントさんが来て、インタビューをしたあとで、「こちらからお金を出すなんて聞いてない!」と断れる人は少ないでしょうからね。自己顕示欲を刺激されると人間は弱いものです。普段、謙虚を「装って」いる人ほど弱い。私ももうちょっとで、くすぐられてしまうところだったかも?

 私はからくも(??)踏みとどまって、「私は住職ですが、生活は旅行ライターで立てていますので、出版の事情は少し知っています。うちのお寺は貧乏寺院ですので、ご希望には添えないと思います。」とお断りしました。

 いったいどこのお寺のインタビューが掲載されるのか、ちょっと楽しみです。

・今日の写真はカナダのビクトリアにある世界的に有名な庭園、ブッチャート・ガーデンのバラ園です。