先日、お寺にある雑誌社から電話がありました。開口一番「コミュニティのリーダーの方を対象にしてインタビューをさせていただいています。対談のお相手は○○さんという女優さんです。」とおっしゃるので、いつ私がコミュニティのリーダーになったんだ?と疑問がいっぱい。第一、慈雲寺が尼僧寺院だということも知らないみたいなのに、なんでリーダーだって知っている?
正直、インタビューと聞いてちょっと嬉しくなったのは否定できません。でも、タレントがどうとか言い出したところで疑問がいっぱい。しかも、一般書店に売っている本ではなく、病院の待合室などに置いてある雑誌だそうです。ふ~~~む・・・つまり広告で成り立っている無料誌ですね。ということは、対談をしても、こちらが出演料をいただくのではなく、反対にこちらから「取り上げていただくお礼を出す!」っていうシステムですね。
と、気が付くまでに90秒ぐらい。その間は私の中の自己顕示欲が大いにくすぐられてしまいました。僧侶としてはかなり恥ずかしい。
「その雑誌に取り上げていただくと、こちらから何か協力させていただかなければいけないのですか?」と聞くと、電話の相手は少しビックリしたようでした。お金の話はインタビューが終わってからするつもりだったのでしょう。可愛らしいタレントさんが来て、インタビューをしたあとで、「こちらからお金を出すなんて聞いてない!」と断れる人は少ないでしょうからね。自己顕示欲を刺激されると人間は弱いものです。普段、謙虚を「装って」いる人ほど弱い。私ももうちょっとで、くすぐられてしまうところだったかも?
私はからくも(??)踏みとどまって、「私は住職ですが、生活は旅行ライターで立てていますので、出版の事情は少し知っています。うちのお寺は貧乏寺院ですので、ご希望には添えないと思います。」とお断りしました。
いったいどこのお寺のインタビューが掲載されるのか、ちょっと楽しみです。
・今日の写真はカナダのビクトリアにある世界的に有名な庭園、ブッチャート・ガーデンのバラ園です。