慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

説教師への道(PART1)

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 宗派によってシステムには違いがあるでしょうが、慈雲寺が所属する浄土宗西山派西山浄土宗)では、僧侶の専門分野は大きく三つに分かれます。

 宗門つかさどる宗教儀式の伝統を継承する「法事司」。宗派の教えを学問的に深める「学僧」。そして、その教えを広める役割を担うのが「説教師」です。もちろん、どの僧侶も三つの要素の全てに精進すべきなのですが、得手不得手はやはりあるので、多くの僧侶が専門分野を選んでいます。

 私は説教師の道を選びました。法然源空上人(法然上人)や、その高弟で法然上人の晩年の最も円熟した教えを直接伝えられた證空上人の教えを学び、それをできるだけわかりやすく広めていくという役割は、けして簡単ではありませんが、それだけに生きがいも感じます。

 私は30台の終わりに出家しましたから、僧侶としてのスタートは遅い方です。カナダの大学院で比較宗教学を学びましたが、日本の仏教系の大学で学んだことがありませんから、仏教全体の知識はとても浅く、説教師としての基本が盤石とは言えません。遅くスタートした分は努力で補うしかありませんが・・・生来怠け者の私はなかなか歩みが遅い・・・・

 毎月、「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を開いているのも、「ご一緒に学んでください」という私のお願いから始めたものです。皆さんの前でお話しするのですから、怠けてもいられません・・・・毎回、終わるたびに反省しきりなのですが・・・・

 西山浄土宗の説教師には幾つかの段階があり、それぞれ審査を受けて認定されます。私はまだ一番下の「補教」という段階です。来月の下旬にその審査が行われます。実は今回、私も審査を受けてみることにしました。その準備がなかなか進まず、ドキドキの日々です。

◎今日の写真は昨年の9月28日に、カナダの“メープル街道”で撮影した紅葉です。