慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「終活」の第一歩は葬儀屋さんではなく、お寺へ

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 就職活動から始まった言葉だと思うのですが、このごろ色々なものに「活」をつけて語られています。「婚活」とか「妊活」・・・今、「にんかつ」を文字変換したら一発で「妊活」と変換されました。すでに確立された言葉???

 婚活、妊活と続いたら、どうやら最後は「終活」のようです。自分の命がやがて終わることを見据えて生きることは宗教の基本です。仏教では特に重要視されています。命に限りがあるからこそ、今をどう生きるかを示すのが仏の教えだからです。

 しかし、今、「終活」という言葉で語られることの多くは、「お葬式をいかに安くあげるか」とか、「葬式費用を残すための生命保険」、「お墓をどうするか」といったようなことばかり目につきます。「終活」が葬儀屋さんや保険会社の営業ツールになっているかのようです。

 自分の人生の「終わり」について準備がしたいなら、まずはお寺にいらしていただきたいものです。「終わり」についての準備なら、いつ始めても早過すぎないし、遅過ぎもしません。あと50年以上生きる人でも、今日が最後の一日でも、仏の教えに目覚めることが大切だからです。

 仏様の教え、阿弥陀様のお慈悲と願いに気づかせてもらうことが、より苦しみ少なく生きる第一歩です。

 信頼できる僧侶に出会うことが、本当の終活の出発点だと思います。私も、そういう僧侶になりたいと願って日々を歩みたいと思います。

◎今日の写真は園城寺で見たお堂の彩色です。新緑とのコントラストが本当に綺麗でした。