慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

慈雲寺の写経の会は、初心者の方もお気軽にご参加ください。

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お月さまが日に日にまあるくなってきました。明日、9月6日が満月です。

慈雲寺では、毎月満月の夜7時半から写経の会を行っています。今月は9月6日が満月です。

 『般若心経』を皆で読誦した後、心経の内容について少し学んでいきます。そして、心を落ち着ける静座をした後、写経をいたします。

 慈雲寺の写経は、心静かに、自分と向き合うためのきっかけです。始めから最後まで写してくださってももちろん良いですし、数行で「今日はここまで」という気持ちになった人は、来月の「満月写経の会」の時に続きを書いても良いのです。

 慈雲寺では、いつでも写経をしていただける用意がありますので、続きは気持ちの向いたときに慈雲寺にいらしていただいても結構です。

 初心者の方にも気軽に参加いただけます。もし、写経会の日にご都合が悪いなら、いつでも慈雲寺にお立ち寄りください。お月参りなどで、外出していることもありますので、お電話(052-621-4045)いただければ幸いです。

 写経に必要な用具は全てこちらで用意してありますが、筆ペンを使いますので、墨を擦って毛筆で写経なさりたい方は、ご自分の道具をご持参ください。

 慈雲寺で行われる宗教関連の行事は全て無料ですが、お寺の維持のために御喜捨いただければ有難く存じます。

◎慈雲寺へのアクセス

申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。所要時間は約40分
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません。「郷前の交差点近くの慈雲寺」とおっしゃってください。慈雲寺を知らないタクシーの運転手もいますので、その場合は郷前の交差点の鍼灸院で降りてください。鍼灸院からお寺の屋根が見えます

極楽のあまり風

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 今朝は窓を開けたら、涼やかな風がスッと部屋に吹き込んできました。本堂の正面の扉を開け、南北の戸も開けると、「そよそよ」という言葉がぴったりな柔らかで、涼しい風が通り抜けていきました。瓔珞が少し揺れてかすかに音をたてるぐらいの風です。

 『阿弥陀経』というお経には、極楽の様子が細かく記されています。そこには、いつも心地良い風が吹き、美しい花びらが舞っているそうです。

 題名は忘れましたが、ある落語を聞いていたときに、心地よい風が吹いてきたのを「極楽のあまり風」と表現していました。極楽に吹いている風のあまり(おこぼれ?)が此岸にも吹いてきているということでしょう。寒くなく暑くなく、とても心地の良い風・・・まさに極楽です。

 ただですら怠け者の私(怠惰は僧侶としては本当に恥ずかしいことですが・・・)、夏の蒸し暑さには本当に閉口です。砂漠やアリゾナのような乾燥地帯で仕事をしたことは何度もありますが、気温が高くても湿度が低ければ大丈夫。影に入れば心地よい風が吹いてくるからです。しかし、湿度はだめ・・・タイのジャングルでは泣きべそをかいてしまったほどです。名古屋の夏も「ああ、日本はアジアなのだ」としみじみ思える湿気です。

 というわけで、夏のあいだグッタリしていた私ですが、さすがに今朝は元気。朝からセッセと部屋の掃除をし、長い間懸案だった事務処理も始めています。

 極楽から吹いてくる風に励まされているかのようです。

●今日の写真は大阪の住吉大社の客殿です。平安貴族の邸宅を思わせるような優雅なたたずまい。池には亀が楽しそうに泳いでいました。

学校へ行きたくないなら慈雲寺においで!

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 学校が始まったね。学校へ行きたくなくて悩んでいるけど、家に閉じこもっているのもつらいなら、お寺に来ませんか?

 私も小学校の時にかなりひどいいじめにあっていました。親が先生に相談しても、先生は「おたくのお子さんが女子なのに、なまいきに男子にさからうから・・・」という反応。たしかに、なまいきだったんですけどね(笑)母は、「こんな学校に我慢していることない!」と転校を即決してくれました。私は、このときの両親の決断の速さと行動力を本当にありがたいと思っています。もちろん、転校だけで全てが解決したわけではありませんが・・・

 私は学校教育というものをとても大切なものだと思っています。知識を詰め込むだけなら、個人教授やネットを使った自習も可能でしょう。しかし、集団で学び、コミュニケーション能力を高めること、基礎学力を鍛えることは、一見マイナス面も多いですが、結果は人が生きていく基本的な力になると思っています。

 しかし、学校へ行きたくない、行かないという選択を「負け」だとも思っていません。学校という環境やシステムに自分がうまく折り合えないときもあると思うからです。とはいえ、そんな時に、家に閉じこもってしまうことは解決策にはなりません。

 ともかく、家からまず出て、他人と会いましょう。いろいろな意味で安全な場所で他人と出会うことから始めてみませんか?

 学校へ行きたくない日は慈雲寺にいらっしゃい。掃除を手伝ってくれてもいいし、庭の手入れを手伝ってくれるのも歓迎です。

 本堂で、仏様とゆっくり会話してもいいですね。

 勉強の遅れが気になるなら、英語の勉強に集中してみませんか?私が教えられるのは英語ぐらいですが、一つの科目が得意になると、学校生活はグッと楽になるものです。

 歴史や仏教、宗教一般に興味があるなら、本もたくさんありますよ。一日中、本堂で仏様と向かい合いながら、本を読んで過ごしてみるのもお勧めです。ゲームをしているよりきっと楽しくなりますよ。

 お寺は、「居場所がない」と感じる人たちが、仏様の前でゆったりとくつろげる空間です。「自分はなんのために生きているのか?」と疑問が出てきたら、お掃除に集中してみたらどうでしょう?結構、目の前が開けてくるかもしれませんよ。

 慈雲寺では、いつでも写経をしていただける用意もあります。

 本堂はいつでも開いていますから、黙って入って下さってかまいません。もちろん、庫裏に声をかけて下さるのも大歓迎です。

編集者に恵まれるかどうかが、ライターの運命を決める?!

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 昨年から、毎月「旅行読売」という月刊誌に連載記事を書かせていただいています。御利益のあることで知られる関西の社寺を取材して、短い記事に仕立てます。取材先を決めるのは編集者と相談ですが、私から提案できるので、毎月、どこへ行くか考えるだけで楽しい。

 日本には、まだまだ知らない所ばかり。信仰の場の雰囲気も、神秘的だったり、少しユーモアを感じさせたりいろいろです。

 ライターにとっては、連載記事を書かせてもらえるのは、本当に嬉しいことです。その嬉しさの大きな部分は、担当の編集者とのご縁にあります。ライターは、信頼できる編集者に出会い、その人に記事を読み込んでもらい、編集してもらうことで成長することができると私は信じています。

 取材に行くとついつい思い入れが深くなりすぎて、説明過多になったり、反対に自分の体験が先になって説明不足になったりしがちです。そこに、「読み手」としての編集者の目がありがたいのです。一字一句直す必要のない完全原稿を出せるような才能のあるライターなら別でしょうが・・・

 私は、ライターの仕事をし始めたばかりの頃から、良き編集者に恵まれてきました。この仕事が楽しい、やりがいがあると思い続けて来られたのも、その為だと感謝しています。

 残念ながら、今、出版業界は経済的にも人材的にも余裕がなくなっています。出版社は良き編集者を育てる余裕がなくなっているのです。ライターは、編集もカメラマンも兼任し、すぐ印刷に出せるような状態で入稿できる人が重宝がられます。しかし、誰の目も通さずに、良き読み手、良き編集者の手を経ない文章は、しばしばライターの自己満足に陥りがちです。これが続けば、出版業界は衰退のスパイラルになだれ込んでいくことになってしまうでしょう。

 前回の取材は奈良県信貴山へ行きました。「尼僧体験」をしたのです。真言宗の僧侶の一日をほんの少し体験させていただきました。他宗の僧侶たちが、どんな修行をしているのか、とても興味深い一日でした。その記事は、今、本屋さんに並んでいる「旅行読売」に掲載されていますので、機会があったらご覧いただければ幸いです。

●今日の写真は、その「尼僧体験」の時、夜明け前に護摩祈祷に参列するために護摩堂に向かう途中の様子です。

 

 

 

9月の「満月写経の会」は9月6日に行います。

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 慈雲寺では、毎月一回、満月の夜に写経の会を行っています。月光はしばしば阿弥陀様のお慈悲を表現する比喩として用いられます。お月さまの柔らかなで優しい光を浴びながら、ゆったりとした心持になるように気持ちを整えるのが、慈雲寺の写経の目的です。

 ですから、「修行」としての写経のように緊張する必要はありません。自分の心身の状態を確認しながら、写していけばよいのです。いっきに「心経」を一巻写してしまうのも良いですが、「今日はここまで・・・」と感じたら、そこでやめてもかまいません。

 慈雲寺では、いつでも写経をしていただける用意がしてありますので、続きは次回の写経の会でも良いし、気持ちが整った日にいつでも続けてください。

 9月の「満月写経の会」は9月6日の夜7時半から行います。

 皆で「心経」を読誦した後、このお経の内容について少し学びます。写経は字の上手下手を問題にはしませんので、どなたでもお気軽にご参加ください。

 写経に必要なものは全て用意してありますが、筆ペンを使用しますので、もし毛筆を使いたい方はご自分の道具をご持参ください。

 慈雲寺での宗教行事は全て無料ですが、お寺の維持のためにお気持ちを御喜捨いただければありがたく存じます。

遺骨は「やっかいなもの」なんですか?Part1

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 前回のブログにも書いたように、先日、東京ビックサイトで行われた「エンディング産業展」に見学に行ってきました。

 墓石からペットの骨壺、宇宙空間への散骨まで、さまざまな業者やサービスのブースをが出店していました。いろいろと考えさせられることが多く、東京まで出て行ったかいがあったと思います。

 でも、気になったのは納骨堂と散骨のサービス業者のブースです。これらの業者の共通の理解というか「アッピールのポイント」となっているのが、「お墓は残された人たちへの負担」という考え方です。大きなバルーンで高度35000mまで飛ばして散骨する「宇宙葬」の業者のパンフレットからただようのは、御遺骨を「やっかいなもの」というイメージをじんわりと広めようとしていることです。

 この「やっかいなもの」扱いは、他の業者からもそこはかとなく感じます。妙に可愛らしい骨壺も、「やっかいな骨」をなんとか受け入れやすくするための工夫なのではと思えてしまいます。

 粉砕した骨や遺髪を混ぜ込んで宝石を作るというのも、遺骨の一部を「きれいに」残し、残りの「やっかいな骨」は「始末する」という感じ・・・・

 なんとも言えない違和感・・・・まだ自分の中で全然整理できません。

◎今日の写真はカナダの西海岸で見た巨木です。

僧侶は「エンディング産業」の一部?!

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 私は、「見本市」に類する展示会が大好きです。旅行ライターの仕事を始めてから、「観光博」のような催しに何回も参加しました。旅行業界の業界紙の記者をしていたころは、北米での展示会だけでなく、中国やドイツにも取材に行かせてもらいました。

 こうした展示会は、時代の最先端を見ることができるのはもちろん、ちょっと変わった企画、「これはうまくいかないでしょう??」と思わないではいられないようなものなどに出会えるのも楽しいのです。こうした展示会には、セミナーや研修旅行がつきもので、それも楽しみでした。

 さて、8月23日から25日まで、東京ビックサイトで「エンディング産業展2017」という見本市が行われました。これは、葬儀、埋葬、供養などに関連した設備やサービス関連の業者が集まるものです。

 墓石から霊柩車、数珠やお線香などなど、「エンディング」に関連したあらゆる分野の展示は、興味深いものばかりでした。亡くなった方の住んでいた部屋の掃除や遺品の整理などの専門業者のブース、「45万円であなたの遺骨を宇宙空間へ!」という宇宙葬(??)の業者、段ボールでできたペット用のお墓までありました。どうやら、骨壺の業者は可愛らしいペット用の骨壺の開発に力を入れているようでした。

 墓地関係では、さまざまな霊園のブースなどもありましたが、ウィーンにある霊園を紹介している業者もいました。「100万円でベートーベン(シューベルトだったかな??)と同じ霊園に眠れます。」というのがウリのようでした・・・・申し込む人いるのかなぁ???

 さて、入場者は入口で、それぞれの業種別の名札をもらいます。それを首からさげて会場を巡るのです。出店している業者は、見ている人がどの業種の人か一目でわかって、アプローチがしやすいというわけです。

 僧侶はなんと「葬儀社・寺院関係」という区分の名札でした。そうかぁ・・・僧侶は葬儀社と同じカテゴリーなのか・・・と、なんだか釈然としない気持ちになりました。

◎今日の写真は、カナダのブリティッシュコロンビア州で見たワイナリーの夏景色です。