慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

今日は、とにもかくにも投票に行きましょう!

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 今朝は6時前に本堂の扉を開けました。雨は強かったけれど、風はまだ強くない。

 今日は法事が二つあるのですが、この分なら延期しなくてもよさそうです。法事が始まる前に投票に行こうと思っています。

 日本の小選挙区制度はけして完璧とは言えないようですし、国連が選挙監視に来たくなるほど怪しいところもあるようです。しかし、民主主義の基本は選挙。「どうせ、自分の一票ぐらい・・・」と思うのはやめるべきでしょう。今日のような天候の場合、組織票を持っていて、「嵐でも投票!」という党が極めて有利になってしまう恐れがあるからです。

 今回の選挙は憲法改正の問題と深くかかわっています。後に振り返って、「あの時、自分が無関心だったのが悔やまれる」という事にならないよう、しっかり自分の意思を形にしたいものです。

 今日は、ともかくも投票に行きましょう!

◎今日の写真は前回の生石神社の霊石です。この石を全力で押して石の宮殿の霊力を授かるように祈るのです。私もお掃除がテキパキできるようになりたくて全力で押してみました。

 

本堂の屋根が心配!

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 超大型台風が近づいているとのニュース。今日は選挙カーの声もなぜか聞こえてこないし、結構不気味な感じ。空の雲もどんどん変化しています。

 慈雲寺は明治時代に建てられた建物です。規模は小さなお寺ですが、当時としては破格のコストをかけて贅沢に作られています。屋根瓦もどっしり!瓦の重ね方も深く、おかげで100年以上、瓦の葺き替えをしないでこられました。しかし、もうそろそろ限界・・・・葺き替えには膨大なお金がかかります。そのことを考えると胃が痛くなってきそうです。まあ、なんでも阿弥陀様におまかせして・・・とどっしり構えていても良いのかもしれませんが。

 いずれにしても、台風に耐えてくれるのを祈るばかり。これから数日は、ちょっとゆっくり眠れそうもありません。

◎今日の写真は兵庫県にある生石神社の「石の宝殿」です。宮殿型の巨大な岩が崖からくりぬかれて横たわっています。日本を代表する巨石信仰の聖地です。こんな宮殿なら台風の心配はいりませんね。

仏教は合議制を重んじる。民主主義の第一歩は選挙に投票することですね。

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 先日、滋賀県のある神社に取材に行きました。そこは小さな山の中腹にあるので、長い階段をセッセと登っていきました。すると、下界から選挙カーの声が響いてきます。雨模様で階段が滑りやすくなっていたので、周辺の景色を楽しむ余裕もなく、自然に耳だけが敏感になっていたようで、応援の声がどんどん耳に入ってきます。

 その時は自民党共産党の候補者のようでした。自民党は「頑張っております。◎山◎男が、皆さまお一人、お一人に心からのお願いにまいっております。」と情に訴えるアッピール。政策の話はほとんどなく、お願い一筋でした。一方、共産党の候補者は誰かがちゃんと原稿を書いたのでは?と思えるほど理路整然とモリカケ問題から消費税のことまで、細かく訴えていました。でも、移動する選挙カーのなかからでは、通り過ぎた人に伝わるのかなぁ?

 カナダの選挙では、選挙カーは許されていません。その代わり、戸別訪問はOK。候補者への応援が明確になった家は、家の前に候補者の芝生に候補者のポスター付きの看板を立てます。なので、選挙の情勢はけっこう露骨に現れます。

 戸別訪問が許されているのは、買収などありえないからでしょう。そんなことをして選挙に勝っても意味ないし、そんなことがばれたら、政治家としての生命はそこで終わりです。

 仏教の僧院では、合議制が原則です。しかも、多数決ではなく、お互いに歩み寄れる中間点まで合議を続けるのです。仏教は極論に偏らない「中道」が考え方基本だからです。

 理想論だと言われるかもしれませんが、私は選挙が公正に行われ、与野党の勢力が拮抗しているような状態が民主主義の理想だと思っています。自公政府が議席の3分の2を占め、憲法改正のような重要事項も十分な議論を尽くせないような状況、森友・加計問題も力づくでうやむやにしてしまえる状況、役人が首相の個人的な付き合いを勝手に忖度してしまう状況などなどは、国民の誰にとっても不幸なことだと思います。

 22日は台風が来るとの予想ですが、まずは選挙に投票に出掛けることが大切でしょう。私も日曜は、本堂の雨戸をがっちり閉めた後、雨合羽着て投票に行こうと思っています。

◎今日の写真は大阪の四天王寺です。このお寺の西門は極楽に一番近いところと信じられてきました。

 

腹が立ったら「息」を整える

 

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 仏教は心との相互関係を重視します。心が怒りや悲しみ、つまり執着によって揺れ動いているときは、体から整えていくという考え方です。そのため、仏教では、まず息を整えることから始めます。そして深い瞑想へと進んでいくのです。

 残念ながら、末法の時代に生きる凡夫の私たちは、自分の心を深く整えていくことはなかなかに難しいものです。しかし、息をゆったり吸ったり、吐いたりするだけで、心にも変化が訪れます。とりわけ、心が怒りでいっぱいになりそうなときは有効です。

 宗派によって呼吸の整え方の伝統は色々ですが、基本は短く吸って、長く吐く。息を吐くときは蜘蛛が糸を繰り出すときのように細く、細くと表現されています。

 私も朝の勤行の前に、息を整えてからお念仏をすると気持ちがいい!

 心に怒りがわきそうになったら、まず息を吸って吐いて・・・あ、昨日の朝、勤行を終えて、さて、ゆっくり新聞を読もうと思ったら・・・ううう・・・

 自民党の広告です。今回の選挙で自民党が進めている5つの公約が並んでいます。

 そのトップに挙げられていたのは、「北朝鮮の脅威から国民を守り抜きます」。脅威のところは太字で大きなフォントが使われています。そして五つ目は「国民の幅広い理解を得て、憲法改正を目指します。」です。太字は憲法改正・・・・

 そのままゴミ箱に捨てようと思ったのですが、息を吸って吐いて、吸って吐いて・・・いや、これは、無視すべきものではないでしょう。まるで、第二次世界大戦の時の大政翼賛会のアッピールそっくり。危機をあおって、「モリカケ問題なんて、大したことないでしょう」と押し付けているとしか思えません。

 カナダの政治家も精錬潔癖な人ばかりではありません。贈収賄問題も起こります。しかし、そんな問題が明らかになっても選挙に勝てる政治家はいません。

 今朝のニュースでは、自民党の圧勝は揺るがないとか・・・う~ん・・・日本人は恐怖をあおり、贈収賄も無視する政党をどうして選ぶのでしょうか?

 民主主義の基本は選挙。息を整え、落ち着いて投票したいものです。

◎今日の写真は大河内山荘で見たカタツムリです。大きい!

 

地獄絵をたっぷり見に行きましょう!

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 今日の写真は、言わずと知れた閻魔大王です。かなり怒ってますねぇ・・・

先日、用事で京都に行ったのですが、駅の観光案内所で龍谷ミュージアムのパンフレットを見ました。なんと、ただいま「地獄絵ワンダーランド」展をやっているのです。

 今年の夏、奈良で見た「源信展」にも地獄絵がたくさん出ていましたが、奈良の国立博物館とは、ずいぶん視点の違う展示のようです。さっそく、西本願寺の前の博物館へ行ってみました。

 この龍谷ミュージアムは、大谷探検隊シルクロード仏教遺跡の探検から持ち帰った貴重な遺物をはじめ、龍谷大学が所蔵しているさまざまな仏教関連の所蔵品を展示しています。常設展も面白いのですが、企画展が毎回ユニーク。

 展示フロアーはそれほど広くないので、ゆっくり見て回ってもくたびれ果てるということがありません。このごろは、コストパフォーマンスを重視して、全ての展示品を頑張って見るなんてことは、もう体力的に無理。感動する心のキャパシティも小さくなったのかもしれません。

 と、いうことで、私はこの博物館が大好きです。

 今回の「地獄絵ワンダーランド」は、地獄の恐ろしさを少しユーモアを込めて解説しています。図録も面白い!フフフ・・・と笑いながら眺めているうちに、ジワジワと、「地獄に落ちないようにしないとなぁ・・・」という気持ちになってきます。

 そして、展示のクライマックスは、もちろん阿弥陀如来の来迎のお姿です。どうあがいても悪人の凡夫である私たち。地獄行きは避けられないところなのに、阿弥陀様はちゃんと極楽へ迎え取ってくださるのです。一切の条件をつけずに・・・

 地獄絵をたっぷり見た後ですから、阿弥陀様が迎えに来て下さる様子を描いた来迎図や、極楽世界の美しさを描いた当麻曼荼羅などが、特に心にしみてきました。

 龍谷ミュージアムでの「地獄絵ワンダーランド」展は、11月12日までやっています。京都にお出かけの時は、ぜひ日程に入れてみてください。お勧めです!

「お寺友達」が生まれるのは嬉しい!

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 慈雲寺では、毎月、身近な話題から仏教の教えを学ぶ「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を開いています。毎回、30人を超える方々がいらして下さいます。私は、この講座の参加者の中から、自然発生的に「お寺友達」ができると良いなぁ・・・と思っていました。

 会員制にして、きちんと組織化するのも一つのやり方でしょうが、私はもっと緩やかなつながりが良いと思っています。「同行の友」、「同朋」という信仰をともにする人々というのとも、少し違う・・・「お寺友達」が今のところ、一番しっくりくることばです。

 「お寺友達」が人生のさまざまな場面、とりわけ「命」に係わる場面で互いに助け合い、励ましあい、理解しあう友になっていくのが理想です。

 例えば、合祀墓のようなものも、一般から募集するのではなく、慈雲寺で仏教徒として生きることをとともに楽しんできた人々が共同で建てるようなものにできたらどうでしょうか?

 先日、お寺を訪ねて下さったお二人の方が、「講座でお会いしてお友達になれました。本当に嬉しい。」と言ってくださいました。私も大喜び!きっと阿弥陀様もニコニコして下さるでしょう。

 講座の後は、いつもお茶とお菓子でおしゃべりの時間です。どうぞ、ゆっくりなさって下さいませ。

 「お寺友達」で、本山のお参りや、法然上人、西山上人にゆかりのお寺に遠足に行ったりしたいと思っています。

◎今日の写真も、慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)の総本山、光明寺の紅葉の写真です。紅葉は11月の中旬からですが、これからしばらく、光明寺の秋景色の写真を掲載します。

子供たちが感想文を書いてくれました!

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 さきほどご近所のパン屋さんに明日の朝食を買いに出かけたら、「慈雲寺さんにも子供たちが見学に来ましたか?」と店主がニコニコしながら聞いてきました。どうやら、小学校の社会見学で、パン屋さんを訪れる子供たちもいたようです。

 パン屋さんと私は「楽しかったですねぇ」とお互いにニコニコ。

 良い香りのパンを抱えてお寺に戻ったら、先日の小学校の先生が訪ねて来てくださいました。なんと、子供たちの感想文を持って来て下さったのです。

 二年生なのに、なかなかしっかりした文章を書く子供もいてビックリ。特に、「お寺と神社の違いを初めて知りました。」という感想を書いた子供が多かったのにも驚きました。子供たちからの質問で、一番苦労したのが、この「神社とお寺の違い」のことでしたから、印象に残ったのなら、私も嬉しいです。

 「お寺に遊びに来たり、宿題をしに来たりしても良いと言われて嬉しかった。」と書いてくれた子供もいました。

 ぜひぜひ遊びにいらっしゃい!私は慈雲寺が、子供たちが宿題をしていたり、ゲーム(電子機器を使わないゲーム)をしたり、大人たちと一緒にお茶を飲んでノンビリしたりする場所になったらいいなぁと思っています。子供にも大人にも、「ちょっと一息いれる」場所で会ってほしいのです。阿弥陀様の前でのんびりしていただけたら一番です。お寺は生きている人が穏やかに過ごす場、傷ついた心を癒す場、豊かな思いやりを育む場であって欲しいと思っています。

 慈雲寺の本堂は、扉が開いているときは、どうぞご自由にお入りになってお参りくださいませ。

 ◎今日の写真は慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)の総本山、光明寺の紅葉です。