慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

腹が立ったら「息」を整える

 

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 仏教は心との相互関係を重視します。心が怒りや悲しみ、つまり執着によって揺れ動いているときは、体から整えていくという考え方です。そのため、仏教では、まず息を整えることから始めます。そして深い瞑想へと進んでいくのです。

 残念ながら、末法の時代に生きる凡夫の私たちは、自分の心を深く整えていくことはなかなかに難しいものです。しかし、息をゆったり吸ったり、吐いたりするだけで、心にも変化が訪れます。とりわけ、心が怒りでいっぱいになりそうなときは有効です。

 宗派によって呼吸の整え方の伝統は色々ですが、基本は短く吸って、長く吐く。息を吐くときは蜘蛛が糸を繰り出すときのように細く、細くと表現されています。

 私も朝の勤行の前に、息を整えてからお念仏をすると気持ちがいい!

 心に怒りがわきそうになったら、まず息を吸って吐いて・・・あ、昨日の朝、勤行を終えて、さて、ゆっくり新聞を読もうと思ったら・・・ううう・・・

 自民党の広告です。今回の選挙で自民党が進めている5つの公約が並んでいます。

 そのトップに挙げられていたのは、「北朝鮮の脅威から国民を守り抜きます」。脅威のところは太字で大きなフォントが使われています。そして五つ目は「国民の幅広い理解を得て、憲法改正を目指します。」です。太字は憲法改正・・・・

 そのままゴミ箱に捨てようと思ったのですが、息を吸って吐いて、吸って吐いて・・・いや、これは、無視すべきものではないでしょう。まるで、第二次世界大戦の時の大政翼賛会のアッピールそっくり。危機をあおって、「モリカケ問題なんて、大したことないでしょう」と押し付けているとしか思えません。

 カナダの政治家も精錬潔癖な人ばかりではありません。贈収賄問題も起こります。しかし、そんな問題が明らかになっても選挙に勝てる政治家はいません。

 今朝のニュースでは、自民党の圧勝は揺るがないとか・・・う~ん・・・日本人は恐怖をあおり、贈収賄も無視する政党をどうして選ぶのでしょうか?

 民主主義の基本は選挙。息を整え、落ち着いて投票したいものです。

◎今日の写真は大河内山荘で見たカタツムリです。大きい!