慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

5人で御大師さまをピカピカに!

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 今日、4月25日は、旧暦の3月21日。弘法大師の御正当日です。御正当とは、年忌法要のことですが、弘法大師は死んでいるわけではありません。今も高野山奥の院で生きておられ、深い禅定に入られているそうです。

 上の写真は、ネットの無料画像からお借りした高野山奥の院です。私も二度、ここにお参りする機会がありました。団体での参拝だったのですが、長い参道を奥の院まで進むと、弘法大師の瞑想を邪魔しないように、自然に誰もが口を閉ざし、歩みも静かになるような雰囲気でした。

 慈雲寺では、毎年の御正当日に御大師様の御像を壇から下ろし、参詣の方々にお身拭いをしていただいています。

 一年に一度ぐらい、お像のお掃除をさせていただこうと思ったのが始まりですが、お身拭いの体験で、御大師さまとのご縁を深めていただければと続けています。

 今朝は4人の方がお詣りくださったので、ご一緒にお身拭いをさせていただきました。皆さん、ゆっくり時間をかけて磨きをかけて下さったので、御大師さまもすっかりピカピカ。

 本堂に吹き込んできた爽やかな風を受けて、心地よさそうなお顔でした。

 



新米記者は失敗続き!老化を自分で認めるのが怖いのか?

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 このところ、このブログの更新が少なくなっています。主な理由は「新米記者のトホホ事件」が続いているため。

 少し前に書いたかと思いますが、私は先月からローカルの新聞の記者としてお仕事をいただくようになりました。新聞といっても二週間に一度の発行ですし、まだ新米なので、そうたくさん記事を書くわけではありません。

 しかし、旅行ライターとしての文章とはずいぶん違いますし、取材で押さえなければならない情報の性質も大きく違います。なにより、慈雲寺のある緑区内のことに限定されての取材です。

 フリーペーパーではなく、中日新聞傘下のローカル版という体裁。私が使わせていただくようになった名刺にも中日新聞のロゴ入りです。編集長は雑誌の編集などで長いキャリアのある方ですし、中日新聞の記者の方からも監修を受けているので、求められているものは「報道」としてのクオリティ・・・それがなかなかうまく行きません。

 いやこのところ、中学生の学校新聞でも、こんなポカはやらんでしょう・・・というようなミスを連発。もうスリーストライク・アウトォォ状態です。

 ミスの原因を探っていくと、一つは「老化を認めたくない」という私の頑なさにあることがわかります。以前は、取材の日程、持っていくものなど、別にメモもしなくてもけして忘れたりしませんでした。しかし!日本に戻って以来、なんだか約束を忘れることが多い・・・今の所、取り返しがつかないミスはありませんが、確実に能力は落ちている。

 その能力の低下を自分で認めるのが怖いのか?う~~~ん・・・

 解決方法は一つ。きちんと日程表を書き込み、毎朝確認。夜寝る前にも確認。

 持っていくものもメモしてボードに貼り、前日準備をして、当日確認・・・・

自分の現状に正直に向かいあう智慧と勇気こそ、仏教徒の生き方の基本なのに・・・・

◎今日の写真はカナダの西海岸の先住民が作ったトーテムポールです。熊の耳の所のちょっと情けない(?)顔が今の私にそっくりです。

 

朧月夜の写経・写仏の会

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 上の写真は、インターネットの無料画像からお借りしたものですが、昨日の満月はまさにこんな感じでした。

 今、散歩から戻ったのですが、空には“ほぼ満月”の美しい月が輝いていました。すっきり天空に浮かんでいるのも良いですが、やはり朧月夜には不思議な魅力があります。

 慈雲寺では、毎月満月の夜にお月見を兼ねた写経・写仏の会を行っています。昨夜は10人以上の方が集まって下さいました。人が多いと、天井からの灯りが十分に届かない席もできてしまいます。来月は小さなスタンドをいくつか用意することにしましょう。

 5月の満月は5月19日です。7時半から『般若心経』の読経を始めますが、その前にいらしても、読経の後でおいでになってもかまいません。お気軽にご参加下さい。

 世界各地に月の光に特別な意味あるという伝説や信仰があります。青白い光の中を歩くのは、水中にいるような気分で、思考がクリアになってくるような・・・気がする・・・だけかな?

ノートルダム大聖堂の炎上に思う

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 上の写真は、昨日火災にあったノートルダム大聖堂セーヌ川から眺めたところです。私はパリにいくたびに、この聖堂を川の対岸から眺めるのが好きでした。内部も素晴らしいのですが、人が多すぎて少し落ち着かない気持ちになったので・・・あの内部の木造部分が全て焼け落ちてしまったかと思うと、とても痛ましい気持ちになります。

 形あるものは必ず滅びていく・・・と仏教は考えますから、どれほど人々に大切にされてきたものでも、こうして消えていく可能性はあるということでしょう。だからこそ、伝統建築を守る努力が必要です。

 慈雲寺は明治時代に開かれた名古屋市内では最も新しい寺の一つです。しかし、名古屋は大規模な地震、第二次大戦の時の爆撃などで、古い木造建築がほとんど残っていません。120年前に日本屈指の寺院建築の棟梁、小野田又造によって造られた総ケヤキ造りの慈雲寺は、その意味で非常に貴重です。

 この建物を守っていくことが、住職としての私の大事な役割なのだと、昨日は改めて思いました。偶然ですが、先日配電盤を新しいものに代えてもらったばかりです。たこ足配線、古い配線を改善していくことが、漏電からの火災を防ぐポイントだとおもったからです。配電盤は高価なもので躊躇していたのですが、思い切って良かったとおもいました。これも慈雲寺を支えて下さる皆さんのおかげです。

 自分が質素に暮らしていくことは少しも苦ではないし、むしろ気楽。でも、住職としては寺院の建築物の維持という高コストの状況に対応しなくてはなりません。う~~ん。難しいところです。このブログを読んで下さる方や僧侶の友人たちからも、ときどき「経済問題を無視しては寺院経営はやれない」とアドバイスをいただきます。しかし、私はボンヤリするばかりです。

 ノートルダム大聖堂はすでに再建費用として850億を超える寄付が集まっていると聞くと、キリスト教の影響の深さ、キリスト教徒でない人々にもどれほど影響を与えていたかが思われます。慈雲寺も「このお寺になくなってもらっては困る」と思って下さるかたが増えることが大切ですね。そのためには住職が・・・・

 

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は5月12日(日)10時よりおこないます。お釈迦様の前世について書かれた「ジャータカ物語」についてご一緒に学びましょう。

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 上の絵は、ジャータカ物語の挿絵の一つです。ジャータカ物語とは、お釈迦様の前世について語ったものです。お釈迦様は、ゴータマ・シッダールタとして人間に生まれる前に、何度も生まれかわって功徳を積み重ねてきたと仏教では考えています。

 前世は猿やウサギなど、動物に生まれ変わったこともあるとされ、心温まる、慈愛に満ちた物語が続きます。

 さて、お釈迦様がゴータマ・シッダールタとして生まれたのは旧暦の4月8日とされています。お花まつりの日ですね。慈雲寺では、元旦などを除き、行事はできるだけ旧暦に沿って行いたいと思っています。

 旧暦の4月8日は、今年の太陽暦では5月12日(日曜)です。ちょうど日曜日なので、この日に花まつりを行い、「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」も同時に行うことにしました。

 そして、お話のテーマには「ジャータカ物語」を取り上げます。ジャータカの中から、短いお話を選んで、皆さんにご紹介したいと思います。

 どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

 

 

 

観音さまの捧げる蓮の花に乗ってお浄土へ・・・4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は観音様についてご一緒に学びましょう

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 上の絵は、阿弥陀仏が私たちを極楽へ迎え取って下さる様子を描いた「来迎図」の一部です。蓮台(蓮の形の台座)を持って、膝をついているのが観音菩薩です。私たちが極楽へ行くときは、この蓮台の上に乗せていただいて旅をすることになります。なんだか楽しみですね。

 4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマは観音菩薩です。身近な菩薩さまなのに、案外知られていないようです。観音信仰の歴史を振り返り、なぜアジア全域で観音信仰が盛んなのかをご一緒に考えてみましょう。

 4月14日日曜日 10時より行います。どなたでも歓迎いたします。「講座」というタイトルはついていますが、どなたでもお気軽にご参加いただけます。

◎慈雲寺への交通アクセス

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。
 ★鉄道、バスのアクセス
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分に鳴子北駅からバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約50分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発と10時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません

蟹江町へ御忌のお説教(温泉付き!)

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 上の写真は愛知県の蟹江町にある尾張温泉東海センターという温泉の露天風呂です。巨大な石をたくさん組み合わせた広々したお風呂。完全かけ流し(加温も循環利用も無し!)。海に近いためか、ヨードが入っているような少々ぬるぬるした、でも体の芯までポカポカになるすばらしい温泉でした。

 しかも、設備がなんともレトロ。かつては贅沢な作り方(内湯も広々)で建てられたようですが、その後資金が続かなかった???という雰囲気。従業員の方々が一生懸命維持しているのは良く分かりましたが、老朽化は・・・・しかし、そこがまた良い!

 入り口前では、巣鴨おばあちゃんの原宿風のファッションのお店や、本屋さんなどなど、いろいろなお店も出ていて、お買い物も楽しそうでした。

 あ、温泉はおまけだった・・・・

 実は、蟹江町には慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)の大きなお寺があります。この法応寺は山門周辺にすばらしい桜の老木があり、花の季節にはライトアップをして、その下でジャズやシャンソンなどのコンサートも行われています。

 ご住職やお庫裏さまは、さまざまな理由で日本にやってきた難民の方々の支援などにも熱心で、寺院や僧侶の社会貢献にも深い考えと実行力をお持ちです。

 一方、伝統的な寺院の役割、儀式をおろそかにすることはありません。先日も、法然源空上人(法然上人)を偲ぶ御忌の法要をなさいました。御忌法要では、説教師が法然上人の御生涯と教えについて語るのが伝統です。御忌のお説教に呼ばれるのは、説教師としてはとても名誉で、それだけに緊張する体験でもあります。

 先日は、この御忌の説教師に私を招いて下さいました。貴重な経験ですから、本当にありがたい。聴きに来て下さる方々も熱心に耳を傾けて下さいました。

 なんとか二時間のお説教を終えることができましたが、全身脱力・・・・慈雲寺はただいまお風呂場の修理中なので、このまま帰ってもお風呂は無い。

 ということで、以前から耳にしていた尾張温泉に立ち寄ってから帰ることにしました。いや~~大正解。

 お風呂からあがって、しばらく全身がリラックスしすぎて休憩室で溶けてました。

 お説教に呼んでいただくのはとても嬉しい。先月の大分の巡教も、昨年の和歌山の巡教も、たまたまですが、すべて温泉で有名な所。いや、本当に幸せ!