そとは冷たい風が吹いています。本堂の扉を閉めていたら、おぼろ月が見えました。境内ごしに見る空は広くて月がとりわけ美しい。いつか境内の砂利を白砂に替えて、月夜に境内が銀色に光るようになるといいなぁ。
今日は先日、お葬式をなさった方がご挨拶に見えました。葬儀場で手渡すのではなく、お布施は後日お寺へ・・・というのがこの地方の習慣だそうです(ご近所のお寺の方に教えていただきました)。このほうが、「お葬式の料金」ではなく、「お寺へのお布施」という本来のありかたのように思えました。ゆっくり喪主さまたちとお話しできる機会でもあり、これも大事なことだとおもいました。
一人の方の死は、さまざまな影響を周囲に与えるものです。これをより実り豊かな経験にするお手伝いも僧侶の役割だと感じています。そのためには僧侶の内面の豊かさ、深さが問われるでしょう。私はまず、部屋を片付けて(部屋のちらかりぐあいは住む人の内面を表しているそうですから)、お習字のお稽古から始めるべきでしょうか。