慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

善光寺で「お数珠頂戴」を体験

 

f:id:jiunji:20150413003618j:plain

 長野の善光寺詣でのもう一つのハイライトが「お数珠頂戴」です。ご存じのように、善光寺には二人の住職様がおいでです。善光寺はどの宗派にも属していませんが、「大勧進」は天台宗の男僧。「大本願」は浄土宗の尼僧という風に分かれています。

 朝事(朝の勤行)や日中の法要にご住職がお出ましになるとき、沿道にぬかずいて並んだ参詣者の人々の頭を数珠でなでるようにして進んで行かれます。これが「お数珠頂戴」という儀式で、上人さまの功徳を分けていただけると言われています。毎朝、何百人もの参詣者一人一人に数珠を軽く触れるのですから、時間もかかるし、なかなか大変なことと思います。しかし、このことは「身業説法」、つまり言葉ではなく身体で示す説法なのです。無言のうちに上人様より説法と受けているのですね。

 今回は幸いなことに、大勧進の貫主さまからも、大本願の若上人さまからもお数珠をいただくことができました。貫主さまの衣には、とても上品なお香が焚き染められていたようで、お数珠に触れたとき(けっこうドスンという感じ)、何ともいえない穏やかな気持ちになりました。

 また大本願の跡継ぎに決まっている若上人さまは、まだお数珠を授けることに慣れていらっしゃらないようでしたが、一生懸命さが伝わってきました。お数珠はやさしく触れてくださったようで、あまり実感はありませんでした。でも、衣の袖が私の頬を撫でるよう触れました。これも不思議な感触。

 慈雲寺の属する西山浄土宗お念仏の教えでは、あまり世俗的なご利益(入学祈願とか金銭的な成功とか)については言わないのですが、ホテルを朝の4時半出発という強行軍の旅をした「ご利益」が、このお数珠頂戴のような気がしました。

・今日の写真は、お数珠を頂戴する直前に失礼をかえりみず、大勧進の貫主さまのお姿を撮影してしましました。紫の衣のお方が貫主さまです。