年末にお墓の掃除をし、きれいな花を供えて行く方がたくさんいらっしゃいます。慈雲寺の初代から四世目(私はこのお寺の第五世の住職ということになります)までのお墓は、この慈雲寺の開祖上人のご出身、相羽家の御当主の奥様がきれいに掃除してくださり、お正月を迎える準備をしてくださいました。いつも心にかけていただき、ありがたく思うと同時に、本来私の役割ですのに・・・と、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
さて、お墓参りにおいでになるときは、ぜひ小さなお子さんやお孫さんを誘ってください。何代もにわたって伝えられたご縁を思い、命の大切さを知る、とても良い機会になると思います。
子供時代の私にとって、お墓参りはとても「楽しい」イベントでした。東京の郊外にある広大な霊園に行くには、駅からかなり歩かなくてはならないのですが、家族での散策は楽しく、距離も苦になりませんでした。祖父の墓石の前では、いつも母が思いで話をしてくれます。祖父は若いころに亡くなっているので、私は会ったたことがありません。でも、母が語る祖父のエピソードは、「あ、やっぱり私のおじいちゃんだ!」と思わせるものがたくさんありました。祖母や叔父、叔母が一緒に来てくれるときはより話題も豊富になります。同じ霊園の中にある父方の親戚のお墓に寄るのも楽しみ。そして、一番の楽しみはお墓参りのあとの家族での食事です。従弟たちといっしょの時は、なおおおはしゃぎ。お墓参りは家族の絆を深め、命への関心を深めるとても良いチャンスだと思います。
子供たちは、ご先祖や生きている親戚の話を案外面白がるものです。どうか、たくさんのエピソードを話してあげてください。
◎今日の写真は、カナダの西の玄関口、バンクーバー空港で観光客を迎えるトーテムポールです。トーテムポールには祖先の出自に関する記録を象徴した彫刻が施されているものがたくさんあります。