『旅行読売』は読売新聞社の系列出版社が出している旅行専門の日本唯一の月刊誌で、毎月2日発売です。
さて、7月号もすでに本屋さんに出ていると思いますが、今月から連載記事を書かせていただくことになりました。関西の”ご利益”で知る人ぞ知る寺社をめぐる「ご利益散歩」の記事です。気軽に行けて、それほど関東では知られていない場所を探そうと思っています。
第一回は、京都の西山にある柳谷観音さま。平安末期から眼病にご利益があるといわれ、朝廷にも眼病封じの霊泉の水を献上していたそうです。西山の浄土谷とよばれる深い谷間の奥にあり、周辺は美しい竹林に囲まれています。6月中はあじさいがきれい!
近くにある大仏(おおぼとけ)さんをお祀りする乗願寺も紹介しています。
来月は京都市内一の繁華街京極にある、蛸薬師さんをご紹介します。
これから、関西のあちこちへ行こうと思っていますので、もし霊験あらたかな寺社をご存じでしたら、ぜひ教えてください。
でも・・・・浄土系の僧侶としては、現世利益中心の寺社を紹介するっていうのは・・・う~~ん。慈雲寺の属する浄土宗西山派(西山浄土宗)では、現世利益を徹底的に否定するということはありません。今回の記事で取り上げた柳谷観音も、実は慈雲寺と同じ西山浄土宗の寺院です。また、慈雲寺にも現世利益の代表格(?)弘法大師さまもお祀りしていますから、慈雲寺の現世利益は弘法さんにおまかせしています。
法然上人は、目の前のご利益ではなく、命の本質に迫る本当の安心(あんじん)を得るには、阿弥陀仏の救いに気が付くことだと教えてくださっています。念仏の利益は、穏やかで喜びに満ちた暮らしなのです。
でも、ご利益で有名な寺社をめぐることで、人々がどんな悩みや不安を抱えているかということを学んでいきたいと思っています。
◎今日の写真は岐阜県の八百津という町にある善慧寺というお寺の参道です。石臼をリサイクル(?)して使っていて、おもしろい模様の石畳になっています。