慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

今日は新谷尚紀さん監修の『日本人の禁忌』を読んでみた

和歌山県の勝浦の海。補陀落浄土への旅立ちにふさわしい美しさです。

今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」(1月28日10時より)では、女人禁制という日本の宗教慣習をとりあげます。なぜ、大峰山のように女性の立ち入りを禁ずる聖地があるのでしょうか?また、反対に、なぜ多くの聖地で近年、女性の立ち入りを許すようになったのでしょうか?

 日本の社会における禁忌(タブー)について、全体を見渡す本を探していました。なかなか簡単に読める本が無かったのですが、国立歴史民俗博物館教授の新谷尚紀先生が監修なさった文庫本『日本人の禁忌』に出会いました。

 監修というところが、ちょっとものたりなく、忌み言葉から縁起かつぎまで、私たちの暮らしの中に今も残っているさまざまなタブーを広く(浅くではありますが)紹介しています。

 もちろん、女人禁制も重要なタブーの一つです。この本を読んでいると、私たちの心に今も強く残っている「ケガレ」という意識が女人禁制に深くかかわっていることがわかります。

 僧侶として「死穢」に関連した事項には、もっとしっかりした見解を固めるべきだなと思いながら読みました。

 

 ところで、私は高校生の時に柳田国男の著作が「マイブーム」だったので、「ケガレ」の問題にはとても興味がありました。「マイブーム」と書いたのは、決して深く読み込んだのではなく、「おもしろい、おもしろい」と読み飛ばしていたという意味です。

 先週、古本屋さんで名古屋大学の図書館が放出した柳田国男の伝記を集めた大部の本を買った(700円!)ので、またブームが来そうな感じです。