慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

今月の満月写経の会は11日と12日に行います。「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」も12日に行います。& 慈雲寺へのアクセスのご案内

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 本堂に手作りのひざ掛けが奉納されていました。慈雲寺の本堂は十分な暖房がないので、「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」や「満月写経の会」などの時は、参加の皆様に寒い思いをさせてしまっています。ひざ掛けを用意しているのですが、大判の温かなものを買う余裕がなくて・・・・小さな、薄手のものしか置いていません。それを心配して下さった方が、手作りのひざ掛けをお供えしてくださいました。

 作って下さった方のお心の温かさが伝わってくるような手触りでした。本当にありがとうございます。

 さて、今月の満月写経の会は11日と12日の二日間行います。本当の満月は11日ですが、先月配布した「2月の慈雲寺のお知らせ」の中で、私の勘違いで12日と書いてしまいました。両方の日の7時半から写経の用意をいたしますので、どちらかの日でも両日でもぜひおいでください。

 温かな服装でおいで下さい。ひざ掛けとホカロン、靴下カバーなどをご用意してお待ちしています。

 なお、2月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は12日(10時より)に行います。テーマは「直葬・無葬時代に”寺縁葬”を考える」です。葬儀の形態が急激に変わっていく今、改めてお寺をご縁にした葬儀を御一緒に考えてみましょう。

◎公共交通での慈雲寺へのアクセス
  名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。

●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません。「郷前の交差点近くの慈雲寺」とおっしゃってください。慈雲寺を知らないタクシーの運転手もいますので、その場合は郷前の交差点の鍼灸院で降りてください。鍼灸院からお寺の屋根が見えます。

◎今日の写真は郡上八幡の街で見た噴水です。

 

ロウソクの謎の(?)お供え・・・大歓迎!

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 夕方、本堂の扉をしめようとしたら、本堂へ上がる階段のところにロウソクの包みが三個。小さなロウソクですし、新しいものではなさそうなので、どなたかがお宅にあったものをお供えして下さったのでしょう。

 小さなロウソクですので法要の時には使えませんが、日常のお勤めにはぴったり。お経が終わるころには燃え尽きてしまうぐらいかしら?

 以前にも大きな箱に入ったお線香を階段のところにお供えして下さった方がいました。仏壇の周辺をお掃除したときなど、もしお線香などが余ってしまったら、箱が汚れたりしていても全くかまいません。もちろん、どんなお供えもありがたいです。大切に使わせていただきます

 ところで、お線香は濡れてしまったり、湿気てしまったりしないかぎり、だいぶ年月がたっていても香りなど完全になくなってしまうということはありません。しかし、理想的なのは除湿剤などを入れて密閉できる缶などに入れておくのがおすすめです。

◎今日の写真は京都の千本通りにある、千本ゑんま堂で頒布されている「ゑんま様のお目こぼし」です。これは閻魔様にお供えされた御餅で作ったおかき。これのご利益で、多少のことは閻魔様のお目こぼしをしていただけるというのかしら?

 

社葬の参列する機会から多くを学ぶ Part2

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  前回のブログで、社葬など仕事関係で葬儀に参列することになったら、その機会をぜひ十分に生かしてとおすすめしました。

 参列のマナーが心配なら、冠婚葬祭にかんする本を一冊買っておきましょう。しかし、基本は、慌てずにゆったりと、そしてきちんと姿勢を正して行動すれば大丈夫。焼香の仕方なども故人への敬意を第一に考えれば、おのずと動作に現れるでしょう。

 親族への挨拶なども、「ご愁傷さまでございます。」と柔らかな口調で、そっと話せれば十分です。

 あとはロビーなどで大声で話さないとか、通常のビジネスマナーが身についていれば心配ありません。香典については、それぞれの地域で習慣も違いますし、故人との関係もありますので、会社の先輩に相談するのがベストでしょう。

 要注意なのは受付での記帳です。流麗な字を書く必要はありませんが、読みやすいきちっとした字で丁寧に書くことが大事です。後から参列者の確認などで親族や会社関係者の目に触れるものですから、殴り書きのようなものは事務整理の面でも関心しません。後ろに列ができていても、あわてずにきちんと記帳しましょう。

 前回も触れましたが、仕事関係のご縁で葬儀に参列するときは、自分の人生について改めて振り返るチャンスです。読経の間や僧侶の法話などにじっくりと耳を傾けるのがおすすめです。

◎今日の写真も先月、上野の東照宮で見た寒牡丹です。

 

社葬に参列する機会から多くを学ぶ Part 1

f:id:jiunji:20170203192058j:plain  今朝、パソコンと立ち上げたらmsnのニュースで「知らないと恥をかく『会社関係の葬式』」という記事が出ていました。今は大規模な社葬をする会社も少なくなっているようですし、会社の上司の親族が亡くなったとしても、部下が葬儀に参加したり、手伝いに出たりすることはあまりないかもしれません。

 しかし、会社関連や仕事上でのご縁のある方の葬儀というのに参列する機会が全くなくなったわけではないでしょう。機会が少ないからこそ、きちんとしたマナーを守り、哀悼の気持ちを素直に、そして丁寧に態度や言葉で表せる人は、社会人として高く評価されることでしょう。

 人の生きた歴史の締めくくりとなる葬儀、とりわけ会社関連の葬儀は、親戚やご近所というだけでなく、社会生活を「縁」として人々が集うわけですから、参列者それぞれが、自分を取り巻く環境、仕事の意味、そして社会の一員として生きる自らの状況を改めて考える稀有の機会になるでしょう。

 読経を聴きながら、故人への回向とともに、ゆったりとした気持ちで自らを振り返る大切な時間としてください。

 そのためには、会社にフォーマルとまではいかなくても、ダーク系のカッチリしたデザインの上着とネクタイ、女性なら上着と白いブラウス、綺麗に磨いた靴、喪章などを常備しておきましょう。これらの衣服は、葬儀以外にも、いざというときに貴方の強い味方になってくれるはずです。

 そして、忘れてならないのが数珠です。数珠は宗派によって形状がことなりますが、一番シンプルな一連のもので良いでしょう。しかし、百均であわてて買ったのが見え見えの安物は避けたいものです。数珠は数十万するのもしばしば見受けますが、1万円ぐらいで良質のものを探すことは可能です。

 それからお勧めしたいのが、焼香の時のお香を葬儀に持参することでし。お香を扱う専門店なら、携帯用のお香を入れる容器も入手できます。これもピンからキリまでですが、これはそれほど高価なものでなくても大丈夫。

 焼香の時には、持参したお香で供養するのが本来のやり方ですから、ポケットから自分のお香を出して焼香すれば、とても洗練された印象です。自分の好みのお香を供養して少しゆったりと時間をかけて冥福を祈り、仏様へ礼拝いたしましょう。(つづく)

◎今日の写真は先月、東京の上野東照宮でみた寒牡丹です。

 

お月参りで始まる二月

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 月参りは、毎月一回、各家のお仏壇の前で読経させていただくものです。宗派や地域によって、またそれぞれの寺院の事情によっては、月参りの習慣が全くないところもあるそうです。しかし、慈雲寺には月参りの習慣が続いています。私は月参りに呼んでいただけるのをとてもありがたく、嬉しく思っています。

 ゆっくりと回向させていただいて、読経の後、その家の方とお話しができるのが特に楽しいものです。仏教に対する質問から、日常のちょっとした悩み、また先月あった印象的な出来事まで、話題はさまざまですが、そのどれもが、僧侶として生きる私にとって大切なものです。

 慈雲寺の月参りのほとんどは、月の初旬に集中しています。月参りが始まると、「新しい月が始まったな!」と気持ちも改まります。

 毎月でなくても、亡くなられた方の祥月命日やお盆だけ・・・というお宅もあります。このようなご縁も大切にしたいと思いますので、お声がけいただければ喜んで伺います。ぜひお気軽にご相談ください。

◎今日の写真はカナダの西海岸の先住民のトーテムポールです。トーテムポールは普通、杉の木で作られます。トーテムポールは、とても大切にされますが、いったん立てられた、その後は補修などはしないのが慣習です。杉の木は比較的腐食しにくい木ですが、やがてこの写真のように朽ちて、倒壊してしまいます。この写真のトーテムポールは少し金属で補修しているようですが・・・・。倒れたトーテムポールは腐って土にもどり、そこからまた新しい杉の木が生えてくるというわけです。

 先住民の人にとっては、博物館に「保存」されているトーテムポールには複雑な思いがあるようです。

 仏像もそうですね。人々の祈りや思いから離れ、美術館に「展示」されている仏像への思いは複雑です。でも、ときどき美術館で思わず手を合わせてしまうことがありますけれど・・・・

 

「二十五三昧会」の現代版が理想です

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 2月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は2月12日に行いますが、そのテーマに「寺縁葬」を取り上げたいと思い、関連した本などを集めて準備をしています。

 以前から私は「二十五三昧会」というものに憧れていました。これは平安時代、10世紀の末に比叡山で始まった念仏結社です。二十五人の僧侶が集まって、お互いに極楽往生を誓い、励ましあって修行をしていこうという結社です。

 毎月集まって念仏を称えたり、勉強をしたりするのですが、もしメンバーの誰かが臨終が近くなったら、往生院というお堂で仲間を看病します。今でいえばホスピスのようなところですね。昼夜交代で二人の僧侶が付き添い、一人は看病、一人は枕元で念仏を続けたそうです。

 家族のいない僧侶にとって、信仰を同じくする友に看取られてお浄土に旅立てるのは、まさに理想的でしょう。

 この結社は「結社」ですから、非常に強い信仰で結ばれたものだったのでしょうが、私はもっとゆるやか、おだやかな「お念仏の友」がお寺をご縁として広がると良いなぁと思っています。

 いくつになっても、友情を育むことはできます。お寺を通じて、年齢や環境を越えたつながりがあって良いと思います。そうした「善友」に看取られ、送られる・・・必要なら「寺縁墓」があっても良いでしょう。

 道端のお地蔵さんから、お寺、神社、教会まで、さまざまな「心の拠り所」のあるのが暮らしやすいコミュニティだと思います。

 「このコミュニティに慈雲寺があって良かった!」と皆さんに思っていただけるようなお寺を目指したいものです。

◎今日の写真は、カナダ西海岸の先住民の伝統的なトーテムポールです。羽を広げているのは、サンダーバードと呼ばれる雷の化身の巨大な鳥です。

2月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は2月12日に行います。テーマは「直葬・無葬時代に寺縁葬を考える」

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 今日は1月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」の日でした。テーマは「戒・定・慧の三学と念仏」という硬めのものだったのですが、30名以上の方が聞きに来て下さいました。久しぶりに来て下さったご近所の方もいらっしゃったし、遠くから来て下さった方もいて、ありがたいことです。

 慈雲寺には十分な暖房がないのに!!

 

 さて、来月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は2月12日に行います。少し間が短いですが、ぜひお越しください。

 2月のテーマは「直葬・無葬時代に寺縁葬を考える」。ここ10年、葬儀の在り方は急激に変化してきました。密葬と呼ばれる、めったにない特殊な事情による葬儀が、「家族葬」という名で”普通のこと”になりつつあります。

 病院から直接火葬場へご遺体を運び、炉前で簡単な読経をするだけの「直葬」もあると聞いています。それどころか、一切葬儀をしない「無葬」まであるとか。

 それでも、自分の葬儀やお墓のことで心を悩ませている人は少なくないようです。

 慈雲寺は昔からの意味での檀家のない寺院です。しかし、南無阿弥陀仏の教えをきっかけにお寺にご縁を結んで下さった方々と新しいかたちの「寺縁」を育んでいきたいと願っています。

 仏教徒としてのお仲間、お寺を介した縁者による看取り、葬儀、そしてお墓まで、「寺縁」で結ばれた新しい形を模索しています。

 皆さんの、葬儀やお墓に対する思いなどをぜひお聞かせください。このテーマはじっくりとプランやアイディアを深めていきたいと思います。

◎今日の写真はカナダの西海岸の温帯雨林の森の中で見た野草です。