慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「二十五三昧会」の現代版が理想です

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 2月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は2月12日に行いますが、そのテーマに「寺縁葬」を取り上げたいと思い、関連した本などを集めて準備をしています。

 以前から私は「二十五三昧会」というものに憧れていました。これは平安時代、10世紀の末に比叡山で始まった念仏結社です。二十五人の僧侶が集まって、お互いに極楽往生を誓い、励ましあって修行をしていこうという結社です。

 毎月集まって念仏を称えたり、勉強をしたりするのですが、もしメンバーの誰かが臨終が近くなったら、往生院というお堂で仲間を看病します。今でいえばホスピスのようなところですね。昼夜交代で二人の僧侶が付き添い、一人は看病、一人は枕元で念仏を続けたそうです。

 家族のいない僧侶にとって、信仰を同じくする友に看取られてお浄土に旅立てるのは、まさに理想的でしょう。

 この結社は「結社」ですから、非常に強い信仰で結ばれたものだったのでしょうが、私はもっとゆるやか、おだやかな「お念仏の友」がお寺をご縁として広がると良いなぁと思っています。

 いくつになっても、友情を育むことはできます。お寺を通じて、年齢や環境を越えたつながりがあって良いと思います。そうした「善友」に看取られ、送られる・・・必要なら「寺縁墓」があっても良いでしょう。

 道端のお地蔵さんから、お寺、神社、教会まで、さまざまな「心の拠り所」のあるのが暮らしやすいコミュニティだと思います。

 「このコミュニティに慈雲寺があって良かった!」と皆さんに思っていただけるようなお寺を目指したいものです。

◎今日の写真は、カナダ西海岸の先住民の伝統的なトーテムポールです。羽を広げているのは、サンダーバードと呼ばれる雷の化身の巨大な鳥です。