2月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は2月12日に行いますが、そのテーマに「寺縁葬」を取り上げたいと思い、関連した本などを集めて準備をしています。
以前から私は「二十五三昧会」というものに憧れていました。これは平安時代、10世紀の末に比叡山で始まった念仏結社です。二十五人の僧侶が集まって、お互いに極楽往生を誓い、励ましあって修行をしていこうという結社です。
毎月集まって念仏を称えたり、勉強をしたりするのですが、もしメンバーの誰かが臨終が近くなったら、往生院というお堂で仲間を看病します。今でいえばホスピスのようなところですね。昼夜交代で二人の僧侶が付き添い、一人は看病、一人は枕元で念仏を続けたそうです。
家族のいない僧侶にとって、信仰を同じくする友に看取られてお浄土に旅立てるのは、まさに理想的でしょう。
この結社は「結社」ですから、非常に強い信仰で結ばれたものだったのでしょうが、私はもっとゆるやか、おだやかな「お念仏の友」がお寺をご縁として広がると良いなぁと思っています。
いくつになっても、友情を育むことはできます。お寺を通じて、年齢や環境を越えたつながりがあって良いと思います。そうした「善友」に看取られ、送られる・・・必要なら「寺縁墓」があっても良いでしょう。
道端のお地蔵さんから、お寺、神社、教会まで、さまざまな「心の拠り所」のあるのが暮らしやすいコミュニティだと思います。
「このコミュニティに慈雲寺があって良かった!」と皆さんに思っていただけるようなお寺を目指したいものです。
◎今日の写真は、カナダ西海岸の先住民の伝統的なトーテムポールです。羽を広げているのは、サンダーバードと呼ばれる雷の化身の巨大な鳥です。