慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

今年の漢字は「金」!???

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 今朝、寝ぼけ眼でパソコンを開いたら、最初に目に入ったのが「今年の漢字は『金』」というニュース。清水寺貫主さまが墨痕あざやかに「金」の文字を書いていらっしゃいました。

 「今年の漢字」は漢字能力検定協会の公募で決まるそうですが、「なぜ『金』なのかなぁ?」と思わないではいられませんでした。しばらくしてから・・・ああ・・・金メダルの金かな??と思いつきました。それでも何だか変な気持ち。去年は「安」で、一昨年は「税」だったそうですが、その延長から考えると、やはりオリンピック・パラリンピックというより、人々の暮らしに直結する「お金」に関係するのではと思えてきます。

 今日も、境内の植木の剪定を助けていただいて、一緒に作業をしました。思い切って楓の枝をドンドン切り落としてしまいました。落とした葉を集めながら、「私は物欲ないなぁ・・・僧侶として生きることの良い点の一つは貧乏が恥ずかしくないことだ」などと話していました。

 もちろん、貧乏は誰にとっても恥ずかしいことなどありません。金銭的には豊かでなくても、心豊かでおおらかに暮らせる人が、本当の豊かさだからです。でも、昔、ある方に「貧乏は仕方がないけれど、貧乏くさいのはダメ」と言われたのを思いだしましたが・・・。

 「う~~ん・・・弘法大師さまの提灯もボロボロだし・・・お墓にたくさんある桶を整理して、慈雲寺の桶を皆さんで使っていただけるようにしたいなぁ・・・でもプラスチックの桶ではなく、桶職人さんの作った木桶が欲しい・・・」なんて話していたら、一緒に掃除をしていたEさんに、「庵主様、物欲いっぱいですね」と言われてしまいました。まさしく!恥ずかしいことです。

 清水寺貫主さまは、どんなお気持ちで、何をイメージして「金」の字を書かれたのでしょうか・・・いろいろと想像してしまいました。

◎今日の写真は谷文晁の書いた「虎図」です。文晁は18世紀末から19世紀初頭の人ですから、虎の実物は見たことがないでしょう。猫をモデルにしたのかな?かわいらしすぎますね。