慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

『ブッダがせんせい』より Part3

今日のお釈迦さまのお言葉


「人をあざむいてはなりません。
どんなときも人を軽んじてはいけません。
人を悩まそうとして怒りをいだいたり、
人に苦痛を与えることを望んではいけません。」
『スッタニパータ』より 

 

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 子供用の『ブッダがせんせい』に取り上げられている言葉です。この本では、上の言葉が

 「だれかをだましたり、だれかを見下したりするのは

  いちばんやってはいけないこと」と言い換えられています。

 

 私たちは、自分自身が不安になったり、劣等感を感じたとき、誰かを見下すことで自分を支えようとしがちです。

 今、アメリカで中間選挙の真っ最中ですが、「アメリカが不景気なのは中国のせいだ」、「自分が良い仕事につけないのは移民のせいだ」、「自分が良い学校に入れなかったのは、黒人の優遇策のせいだ」などなど、だれかを見下すことで、自分を上げようとする発言があちこちで聞かれます。大統領自らも誰かを見下すことで、アメリカの誇りを回復しようとしているように見えます。

 もちろん、こんなやりかたで、自分や国の価値が上がるわけはありません。

「自分の価値」「などというものを考えること自体が愚かなことですが、もし「価値」をうんぬんするなら、どれほど人を愛せるか、どれほど人のためにつくせるかを思うべきでしょう。

 そして、阿弥陀さまは、価値がどうのなどということは一切関係なく、私たちをこの身このままで抱き取って下さっていることを忘れないようにしたいものです。

 

◎今日の写真は大阪府立陶磁器博物館で見た青磁の小瓶です。いったい中には何が入っていたのでしょう?