慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

『ブッダがせんせい』より Part1

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お釈迦さまのお言葉   『ダンマパタ』より

「荒々しいことばを使うな。言われた者は君に言い返すだろう。

怒りを含んだことばは苦痛である

仕返しが君に返ってくるだろう」

 前回のブログでお話した、仏教伝道協会が発行している子供向けの仏教入門書『ブッダがせんせい』の中に引用されている言葉です。

 この『ダンマパタ』の句を『ブッダがせんせい』の中では

「らんぼうなことばは、

つかわない。

自分にも、

いやなことばが

かえってくるから」

というように意訳しています。

 こぶしで相手を人を殴れば、相手もしかえしをしてくるでしょう。ことばでのけんかも同じだ・・・・という解説も添えられています。

 

 仏教は「言葉」をとても大切にします。お釈迦様の「仏語」を受け止め、理解し、生活に生かしていくのが仏教徒の生き方だからです。

 「言葉」は人を幸せにする大きな力を持っています。「和顔愛語」・・・穏やかな表情で、思いやりのある言葉を人に語るのは大切な布施行の一つでもあります。

 一方、言葉はこぶし以上に人を傷つけ、苦しめることもあるのです。

 

 自分の母国語で豊なな語彙を持っている人は幸せです。自分の気持ちをきちんと相手に伝えられる能力を磨くことは、穏やかで豊かな人生を送るための最上のコツと言っても良いでしょう。

 英語をはじめとする外国語習得のためにも、母国語がしっかり身についていることが大切です。の子供に英会話を習わせることこより、読書(母国語の)の喜びを身に着けることの方が何倍も大切だし、結果的に外国語習得の近道でもあります。

 語彙が少なければ、自分の気持ちを十分相手に伝えられず、その苛立ちが乱暴な言葉になって口から飛び出してしまいがちではないでしょうか?

 言葉に興味を持つ、言葉の力を知る子供は幸せです。

◎今日の写真は、大阪市立陶磁器博物館で見た茶器の飾りです。ヨーロッパの王室で使われていたもののようです。なんだか物憂げな天使ですね。

 

仏教のおすすめ入門書 part 3  『ブッダがせんせい』

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 昨日は東京から修行僧のAさんが訪ねて来てくれました。浄土系のお寺で修行しておられるのですが、なかなか厳しい日々のようです。「それ、ちょっと自力過ぎないか?」と言いたくなるほどですが、自分に厳しい方なので、そういう状況を十分に生かしておられるようでした。

 その方とお話していて、お説教の資料として使える本のことになりました。彼女のお寺では修行僧も毎日、勤行の後に法話をするのだそうです。

 今回、私がAさんにおすすめしたのは、仏教伝道協会が発行している『ブッダがせんせい』という子供向けの本です。

 仏教伝道協会は、ホテルの寝室などで、聖書と一緒によく置かれている、『仏教聖典』(英語と日本語で書かれている)を発行している公益社団法人です。宗派に偏らないで、仏教の布教に役立つイベントや出版を行っています。

 『仏教聖典』の英訳はわかりやすい、クリアな英文ですし、日本語と対訳になっているので、英語の勉強にもおすすめです。

 この『ブッダがせんせい』は『ダンマパタ』などの経典に説かれた言葉の原文に子供向けの意訳を添えています。そして、その言葉の説明やたとえ話などが書かれているのです。さらには、大人向けの説明もコラムのように添えられており、だれが読んでもわかりやすい。お説教の原稿を作るときの参考書としての珠玉です。

 例えば、『ダンマパタ』の「田畑は雑草によってそこなわれ、世の人々の心は欲求によってそこなわれる」という言葉には、「なんでもほしがる、よくばりな心は、いつか自分をきずつけてしまうよ」という意訳が付けられています。

 この本は、仏教伝道協会のサイト www.bdk.or.jp から通販で買うことができます。一冊216円です。

◎今日の写真は大阪市立陶磁器博物館で見た洋皿です。なんとなく、模様に日本の影響が感じられます。

11月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマは「聖徳太子って誰ですか?」です。

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 今日(10月21日)は「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」の日でした。気持ちの良い秋晴れで、絶好の「お寺参り日和」でした。テーマは「地獄」でしたので、源信の『往生要集』に説かれた地獄の様子や、世界のさまざまな宗教の「地獄」のイメージのお話などをしました。30名を超える方々が来て下さり、熱心に耳を傾けて下さいました。

 地獄は地面の遥か下(29万キロ?)にある世界だそうですが、本当の地獄は今、私たちが生きているこの世界にもあるのです。同じように、極楽も遥かかなたにあるわけではなく、阿弥陀様のお慈悲に気が付いた、その瞬間に極楽に生きることができるのです。

 さて、来月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、11月25日(日)10時より行います。テーマは「聖徳太子って誰ですか?」です。

 聖徳太子は、仏教が日本に定着するために大きな貢献をした方です。また、太子その人を対象とした「太子信仰」も長い歴史を持って、今も熱心な信者がいるほどです。一方では、「聖徳太子は存在しなかった」という学説もあります。

 聖徳太子とは、どういう方だったのか、また、太子信仰とは何なのか、ご一緒に学んでみましょう。

◎今日の写真も、京都の仁和寺で見た障壁画です。雅楽の舞人が桜の下で踊っているようですね。

今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は地獄についてご一緒に学びましょう。

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 前回のブログにでお話したように、今日はご近所の小学校から50人近くの子供たちが「社会科見学」に来てくれました。難問の「神社とお寺はどう違うのですか?」という質問も出て、まだまだ勉強が足りないと反省しました。子供たちが何に興味を持つのかしるのは、私にとっても面白いです。

 今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は10月21日の日曜日、10時より行います。

 先ほど、ある方からお電話をいただき、カーナビを使って慈雲寺においでになりたいので、住所を教えてほしいとのことでした。慈雲寺の住所は名古屋市緑区桶狭間上ノ山725です。慈雲寺には十分な駐車場がありませんので、できるだけ公共交通でおいで下さいませ。

 さて、21日は「地獄」について改めて学んでみましょう。キリスト教の「地獄」は、ダンテの『神曲』に詳しいですが、日本で地獄のことの詳しく述べたのは源信という僧侶の書いた『往生要集』です。とても興味深い本で、現代語訳も出ていますので、ぜひ読んでみることをお勧めします。

 地獄は大地の遥か下にあるといわれていますが、実は今の私たちの生きている「この世」にも地獄はあちこちにあるのです。さらには、私たちの心の奥にも地獄の炎が燃えているようなときもありますね。

 地獄を怖れ、極楽往生を願い、菩薩の道を歩もうとするのが浄土教の教えです。

 

◎慈雲寺への交通アクセス

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。
 ★鉄道、バスのアクセス
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分にバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発と10時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません

 

◎今日の写真は仁和寺で見た障壁画です。平安貴族の川遊びでしょうか?それとも何かの神事?

 

「神社とお寺の違いはなんですか?」

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 明日(9月19日)、近くの小学校の二年生が社会科見学に来ます。去年は20人ぐらいで、中には「マクドナルドの見学に行きたかったんだけど、人数が多すぎて・・・」という正直な子もいたりして、慈雲寺は二番手、三番手のチョイスだったようです。

 しかし!今年はなんと50人近くの子供が来るので、半分ずつの二部構成になりました。去年が好評だったのか?それとも、今年はマクドナルドが受け入れを拒否したのか?

 先日、担当の先生が子供たちの質問票を持っていらっしゃいました。去年に続き、「どこで修行したのか?」とか、「なぜお坊さんになったのか?」といった手ごわい質問が並んでいます。中でも難しいのが「お寺と神社はどう違うのですか?」という質問です。

 この質問には去年も悩みました。中学生なら、日本の神仏習合廃仏毀釈の話までして、いろいろ答えられると思うのですが、何しろ小学校の二年生です。今日は一日、質問にどう答えようかと悩んで過ごしました。

◎今日の写真は京都の仁和寺の庭です。

本堂には温かな「百草茶」をご用意しています。どうぞお気軽に一服なさって下さい。

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 いったい、この地獄のような酷暑はいつまで続くのか・・・と、思っていたら、いつのまにか朝晩は寒くてビックリするほどです。季節も無常を教えてくれているのですね。

 慈雲寺の本堂には、いつでもお茶とお菓子を用意しています。どなたでも、ご遠慮なく本堂に上がって一服なさって下さい。

 「慈雲寺にお参りに行けば、いつも誰かがいて、茶飲み友達になれる。」と理想です。茶飲み友達から信仰の友の輪が生まれてくれば、さらに嬉しいですね。

 いずれは、本堂の片隅に机を置き、Wi-Fiを飛ばして、昼間はいつでも本堂にいるという風にしたいです。学校に行きたくない子供が自習してたり、一人暮らしの人が散歩の途中に茶飲み友達に会いにたり・・・子育てにちょっと疲れた新米お母さんが、広い本堂で子供を寝かせて、少し本を読む時間を作ったり・・・そんな風になるといいなぁ。

 ところで、本堂に置いているお茶は、夏は水出し麦茶ですが、数日前から温かい「百草茶」にしました。岐阜県の道の駅でいつも買うお茶です。百種類のいろいな「体に良い」草を集めて作ったとか。飲みやすくて、すっきりした味で気に入っています。長くポットに入れておいても味が変わらないのも良いところです。

 袋には「ダイエット効果あり」みたいに書いてありますが、それは今のところ確認できていません。

◎今日の写真も大阪市立陶磁器博物館で見た鼻煙壺です。蓮池を泳ぐ鯉ですね。

 

10月21日(日)の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のご案内と慈雲寺へのアクセス

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 上の写真は北九州市常福寺に伝わる『地獄絵図』です。閻魔大王など、亡くなった方の生きている間の行状を裁く裁判官たちから、さまざまな地獄の責め苦の様子、そして地獄まで降りて亡者を救おうとする地蔵菩薩などが描かれています。

 地獄絵図は、長い間仏教の布教のツールとして広く使われてきました。特に江戸時代には、尼僧たちが地獄絵図の絵解き説教をしていたそうです。

 慈雲寺には地獄絵図は地獄絵図はありませんが、改めて「地獄」について学んでみようと思います。

 10月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は10月21日(日)10時より行います。

 日本の宗教文化に深くかかわっている「地獄の思想」と、地獄について日本で初めて深く研究した源信の『往生要集』についてお話します。また、キリスト教イスラム教の地獄と仏教の説く地獄の違いについてもご一緒に学んでみましょう。

 どなたでも歓迎いたしますので、どうぞお気軽にご参加下さい。

◎慈雲寺への交通アクセス

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。
 ★鉄道、バスのアクセス
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分にバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発と10時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません