慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

10月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、10月27日(日)10時より行います。テーマは「行きつけのお寺の見つけ方」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

ご供養に必須の「三点セット」

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 慈雲寺の庫裏にある物干台から、お墓が見渡せます。今日も新しいお花が備えられたお墓が幾つもあります。お墓参りの行き帰りには、ぜひ本堂へもお参りください。あたたかなお茶をご用意してあります。本堂の扉が開いているときは、どなたでもご自由に中にお入り下さって、お参りしてください。

 さて、本堂のご本尊でも、お墓でも、お参りに欠かせないのが「ご供養の三点セット」です。何だと思われますか?

 お花とお香とお水の三つが正解です。お墓参りとは、ご先祖を供養することですね。阿弥陀様やお釈迦様へのご供養も、ご先祖へのご供養も、「お花、お香、お水」の三点セットは欠かせません。

 では、そもそも「ご供養」とはなんなのでしょう?教典にも使われているインドの古い言葉、サンスクリット語で「供養」のことを「プージャー」とか「プージャナ」と言います。尊敬する大切な客人を敬意をこめておもてなしするというのが、もともとの意味です。

 暑いインドでほどよく冷えた水はおもてなしの基本でしょう。心を安らかにする美しい花、香り高いお香もおもてなしの心の表れです。元々お香は、塗香(ずこう)といって、白檀などの香木を粉末状にしたものに水を加えて練り、胸や手首などに塗り付けるものです。体温で香木の油性分が揮発すると香りが広がり、清涼感を感じるのだそうです。

 こうしたもてなしは、今でもインドで行われていて、高級なホテルなどにチェックインするときも、香りのある花をレイのようにしたものを首にかけてくれたりします。

 阿弥陀様やご先祖さまへの敬意を表すためですから、ぜひお香も吟味して、あなたの気持ちにあったものを選んでください。お花も、花屋さんにうっている仏花だけではなく、時にはあなたのお庭で丹精したものをお供えしてはいかがでしょう?造花はできれば避けたいものです。

◎今日の写真は、カナダのロレンシャン高原にあるサーブル湖という静かな湖です。