最近、納骨についてのご質問をいただくことが多くなりましたので、慈雲寺ではどのように納骨を行っているか少しお話をさせていただこうと思います。
1)納骨の時期
いつ納骨するかについては、当山では「お気持ちの区切りがついた時に」とお話しています。宗派によっては三十五日の法要の時に、すぐに納骨するのが慣例になっているところもありますが、私は三十五日では、少し早いのではないかと思っています。
四十九日、または百箇日の法要と合わせて納骨なさる方が多いようです。私のおすすめは百箇日です。百箇日の法要は、四十九日よりも集まる方々が少ないのが普通ですので、近親者だけでゆっくり納骨されてはいかがと思います。
一周忌という方もいらっしゃいます。これも気持ちの区切りという点では、良いタイミングと言えますが、あまり長期間手元にお骨を置くというのはおすすめできません。亡くなられた方は、既にお浄土に行かれているのですから、「骨」にあまり執着しても悲しみはなくならないでしょう。骨壺を覆う布が古びてくるのも哀しいものです。
2)納骨前にしておくこと
お墓に亡くなられた方の戒名(法名)を刻んでもらう必要があります。当山では特別に契約している石屋さんがあるわけではありませんので、どこに頼んで下さっても良いことになっています。しかし、お寺によっては指定の石屋さんに頼むことになっているところもあるでしょう。
まず、僧侶にお願いして墓石の性根抜きの儀式をしてもらってください。それが終わってから石屋さんが墓石を移動させます。墓石に戒名を刻んでから納骨迄日にちが開く場合は、お性根を戻す儀式をお願いしてください。
墓石を整えてすぐ納骨する場合は、納骨の時にお墓のお性根入れも同時に行うことができます。
なお、墓石に戒名を刻むのではなく、墓碑に刻む場合はお墓のお性根抜きの必要はありません。
3)納骨の当日
当山では、納骨の日はいったん本堂にお集りいただき、短い法要をしてから墓前に向かいます。本堂での法要の際は、亡くなられた方の好きだったものなどをお供えしてはいかがでしょう。
当山では、骨壺からいったんお骨をさらしなどの布(化繊は不可)に移して包みます。墓前で短い読経をし、参列者焼香をしていただいた後、墓を開け布にくるんだまま中にいれます。寺院によっては骨壺から直接お墓に移すところもあるようです。
故人のお骨を目にするのは、焼き場での集骨以来ですし、改めてお骨に対面するわけですから、さまざまな思いがこみ上げてくる方も少なく有りません。できれば、法要の後、きちんと法話をしてくださる僧侶に納骨をお願いしたいものです。
なお納骨の際は、「埋葬許可書」を忘れずにお寺に渡してください。
4)納骨後の骨壺などの処分
納骨後の骨壺やその箱などは、お葬式を行った葬儀会館へ持って行ってください。丁重に処分してくださいます。
納骨の詳細については、各寺院で慣習や作法に違いがあると思いますので、ご住職と事前にゆっくりお話なさることをお勧め致します。
◎今日の写真はエクアドルのグアヤキルの町並みです。今回の地震の震源地からは離れているようですが、無事を祈らずにはいられません。