昨夜は本当に美しい満月でした。「満月写経の会」にいらした方々と本堂の縁側にすわって月を眺めていたときに、長崎に二つ目の原爆が落とされた日のことを考えていました。
長崎の原爆というと、私はとても恥ずかしい思い出があります。
私は高校三年生の時に、ジャパンタイムスという新聞の学生特派員としてインドへ行ったことがあります。私の旅行ライターとしての初仕事というわけです。インディラ・ガンジー首相にインタビューしたり、マザー・テレサの修道院を訪れたり、さまざまな貴重な経験をさせてもらったのですが、当時の私は(今もあまり変わらないのですが・・・)とても愚かで、その体験を受け止め切れていませんでした。
そして、8月9日、タゴール大学というところへ行き、そこのある教授にあったとき、「今日は原爆の日ですね。哀しいことです。」と彼が話しかけてきました。その時私は、おそらく小賢しい顔で「いえ、原爆記念日は8月6日ですよ。」と答えてしまいました。すると、その老教授はとても悲しそうな顔で、「今日は長崎に原爆が落とされた日だよ。」と言ったのです。私は、恥ずかしさに頭が真っ白になるほどでした。
今でも、あの時の生意気で無知な自分のことを思い出すと、情けない気持ちです。
今日は、ご近所のYさんと、カナダ人のVさんの三人でお墓の周辺の雑草取りをしていました。原爆が落とされた11時2分の少し前に作業を中断し、犠牲者の方々のために、御供養のお経をあげさせていただきました。
タゴール大学の老教授は、私にとても大切なことを教えて下さったのだと、改めて感謝しています。
◎今日の写真は、カナディアンロッキーを上空から見たところです。