慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

出家したのに「家」の名前?

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 先日、「お坊さん同士はどんな名前で呼び合うのですか?」という質問を受けました。

 僧侶も在家の方と同じように、田中さんとか山田さんとか呼び合うのですが、私は以前からこのことに違和感がありました。

 「出家」して「家」から出ているのに、家の名前で呼び合うのって変じゃないですか?まあ、浄土真宗の方々は親鸞さまの時代から家族を持っていらしたので、「大谷家」というような名前を背負うのは当たり前ですし、明治以降は多くの僧侶が結婚して家族を持つので、「苗字」から離れられないのは仕方がないのかもしれません。

 でも、私たちは出家したときに僧名を師僧からいただきますし、一応の修行を終えたら「名号」を授けられる宗派も多いでしょう。

 例えば、慈雲寺の属する浄土宗の西山派は、宗祖の法然源空法然上人)以来、「空」の字を師から弟子へと受け継いできました。源空から西山派の流祖證空に受け継がれ、末弟のさらに末である私も「コウクウ」という空号をいただいています。私の「コウ」の字はとても特殊ですぐに出てこないのが情けないですが・・・鳥が羽をバタバタさせて飛んでいる状態を表す漢字です。ちなみに、羽を伸ばしてスーッと飛んでいる状態は「翔」です。

 せっかく源空さま(法然上人)から続いている名前をいただいたのですから、僧侶は「空号」で呼び合ったらどうかと思うんですが・・・源空さまの時代には、どんな名前で呼び合っていたのでしょうね。

 ちなみに有名な法然上人の『一枚起請文』の最後も「源空」とサインが入っています。

◎今日の蓮は一宮市にある浄念寺に咲いていたものです。