慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

お彼岸中は六波羅蜜を心がけてみましょう Part1

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 梅の季節が終わろうとしています。慈雲寺にある4本の梅はそれぞれ種類も樹齢も違うせいか、開花の時期がそれぞれ違い、2カ月近く梅を楽しむことができます。それももう終わり。昨日の強い風で、境内には紅梅の花びらがあちこちに散っています。諸行無常とはまさにこのことですね。

 明日は彼岸の入りです。例年ですと、どなたでもご参加いただける、彼岸の合同法要を営む予定でした。しかし、今年は新型コロナウィルスの問題が不透明なので、しばらく行事をひかえることにしました。

 それほどたくさんの方がお参り下さるわけではないし、隙間風が常時ぴゅーぴゅーと吹き込む慈雲寺ですから、中止をする必要はないのではと考えていました。しかし、市バスや電車を使っておいでになる方が多いので、少し見通しがつくまで中止とすることにしました。

 

 とはいえ、ここ数週間のニュースなどを見ていると、私たちの心の中に積み重なってきた「漠然とした不安感」が、ウィルスの問題をきっかけにして大きく動いたような気がします。トイレットペーパーやお米の買い占めのような「デマ」に簡単に突き動かされて多くの人がパニックのような行動をとったことも、その不安の表れでしょう。

 こんな時こそ、「行きつけのお寺」でゆったりと心を落ち着けるのがお勧めです。

 ちょうど明日からお彼岸。お中日を挟んで、前後三日づつありますから、お彼岸中は、お釈迦さまがお示しくださった「苦しみから解放されるための六つの修行法」である六波羅蜜のことを思い、少しでも行動してみてはどうでしょう?

 末法の時代に生きる凡夫の私たちには、自力で悟りを得るのはほぼ不可能でしょう。しかし、六波羅蜜を心がけることで、パニックに巻き込まれがちな自分の姿を見つめなおすのも、お彼岸にふさわしい過ごし方だと思います。

 もちろん、お墓にお参りしてご先祖に感謝することも大切です。お寺の境内にある墓地なら、ぜひ本堂でご本尊にもお参りしてください。

◎今日の写真は、今年、東京で見た枝垂れ梅です。