毎月一回、鳴海駅の近くにある中日文化センターで講義(というほど立派なものではありませんが・・・)をさせていただいています。このセンターのお隣に「鶴亀二号」というなんとも不思議な名前の古書店があります。
講義が終わると、この古書店についふらふら入ってしまいます。奥の方には宗教関係や歴史関係の本も多く、お値段もそれなり。講義のお手当てよりもたくさん買ってしまうこともありそうで怖い・・・と、思っていたら、入り口付近の「100円均一」の棚もけっこう危険でした・
私は少々汚れていたり、書き込みがあったりする本でも全然気にならないので、それが理由で安値になっている本はとてもありがたいです、
100均本の良いところは、値段が安いので「ちょっとおもしろそう」というぐらいの本でも気軽に買えること。おかげで、いままで全く縁のなかったジャンルの本とも出合えます。
最近のピカイチ収穫は、磯田道著『歴史の読み方解き方』(朝日新書)です。この人は『武士の家計簿』という映画にもなった本も書いている歴史家です。
この本は江戸期の日本における危機管理がどのように行われていたのかを明快な文章であらわしたものです。読んでいる間に、何度も「目からうろこ!」と思うようなことが出てきました。
例えば「行政をやるとか、戦争に勝つとか、商売で利益をあげるとか、そういう目的達成のためにつくられた人工的な大規模組織=大ゲゼルシャフトは、近世においては、武士の作っている『藩』しかない。・・・・近世武士を結びつけた藩システムは、濃尾平野の織田信長が発明し、豊臣秀吉が改良し、徳川家康が全国展開したものです。」
おお!ちょっと考えれば当たり前・・・高校のときに、こんな風に教えてもらえば、戦国時代にもっと興味が持てたのに!私は中世の武士団と江戸時代の武士団の違いについて深く考えたことなかった。う~~~ん
豊臣秀吉の「刀狩り」は実は全国民の武装解除を行ったものではなく、そもそも成功などしなかった。江戸時代を通して、日本の民間から刀や銃が消えることはなかった・・・そうです。ひぇ~~~知らんかった!
100円でずいぶん得をした気分。これだから古本屋めぐりはやめられない。