慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

カナダに残務整理に行っていました。Part 3

バンクーバー周辺には越冬する渡り鳥がたくさんやってきます。これはトランペット白鳥の群れです

 前の記事には「カナダ訪問の影響はそれほどなかった」というニュアンスのことを書いたのですが、上手なボディブローのようにジワジワと効いてきたようで、ここしばらく精神的にも身体的にも落ち着かない状態でした。

 そんなとき、今更ながらに気がついたのは、心が落ち着かない時、とりわけ少し憂鬱な時、私は必要以上に食べていることです。「口ざみしい」という言葉がぴったりです。本当に欲しいわけでもないのに、口に食物が入っている間は、一瞬、それに集中しますから、悩んでいることをほんのつかの間でも忘れられるという「効果」を求めているのかもしれません。

 

 カナダが恋しいという気持ちにもう少し素直になって、カナダの友人たちとの縁をもっと豊かにする手段を考えて、実行する(ここが大切なポイントですね)ことが、この憂鬱を脱するきっかけになりそうです。

 

 一番は友達のことですが、現実的に私を苦しませているのは「寒さ」かもしれません。

 帰国してから「カナダは寒かったでしょう?」とたくさんの方から聞かれました。しかし、バンクーバー周辺は暖流の影響でそれほど寒くなりません。一年に数回あり急激な寒波の時を除けば、気温は名古屋周辺と同じくらいでしょう。

 しかし!バンクーバーの家は、どこもセントラルヒーティング。家中、どこにいても温かです。夜中にトイレに行くとき寒さに震えるなんてことはないし、すきま風の音がいつもヒューヒューと響いていることもありません。真冬でも、Tシャツ一枚で過ごす人も多いくらい。ま、私は暖房の温度を下げて、セーターを着ていましたが・・・

 このセントラルヒーティングのありがたさに気がついたのは、膝の痛みのためです。カナダ滞在中は膝の痛みをほとんど感ずることなく、階段も立ち座りもスイスイ。持って行った杖もほとんど使わずに歩いていました。

 ところが、日本に戻ったとたん、膝が再び痛み出したのです。居間や勉強部屋にはエアコンもありますので、十分暖かくしていたつもりなのですが、廊下やトイレ、そして台所の寒さが堪えたのではと思います。

 

 春が来ると、辛い夏が近づくので、私は春の到来を熱望しているわけではありませんが、私の膝は温かな日を待ち望んでいるようです。

 何事も思い通りにはいきません。今日の午後は中日文化センターで、煩悩、すなわち思い通りに行かない苦しみについてお話しします。