慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

静座のすすめ

f:id:jiunji:20150119224030j:plain

先日、ある新聞に「瞑想」の特集記事が出ていました。その記事によれば「瞑想が世界的にブームになっているようです。」と書かれていました。その書き方にはちょっと「??」疑問符が浮かんできますね。やりかたは色々でも、ほとんどの宗教は「瞑想」を修行のひとつに取り入れています。もちろん仏教の修行にも瞑想は欠かせません。禅宗のように「只座れ」と教える宗派もあるほどです。ですから、ブームとか流行とかでするものとはちょっと違うのではないでしょうか。

 念仏も、もともとは仏を念じることで心を集中させるという意味でした。しかし、心を集中させるのは容易なことではありません。私たちの心は暴れ馬のように雑念が荒れ狂っているからです。心を整えることができない私たちに代わって、阿弥陀仏がすべて用意してくださったことを知り、阿弥陀仏の名を口で称えて深く帰依するのが「称名念仏」です。

 深い瞑想をするには修行が必要で、なかなかむずかしいものですが、すこしの間でも静かに座って、ゆっくりと呼吸を整えてみてはどうでしょうか?難しい作法も必要ありません。雑念が浮かんできても良いのです。

 慈雲寺では、本堂の扉が開いているときは、どなたでもご自由に中に入ってお参りしていただけます。ここは時折鳥の声が聞こえるくらいで静かですから、まずは座ってみてください。

 何かしてみたくなったら写経の用意もしてあります。もし、黙って座っているのに飽きたら、糠を手ぬぐいでくるんだタンポが経机の上に用意してありますから、それで木の床や柱を磨いてください。単純な作業を繰り返すのも心を集中する良い手段になりますよ。床がピカピカになれば、私も大いに助かりますし・・・

・今日の写真はカナダの西海岸の先住民の人々の使っている伝統的なカヌーです。かなりのスピードで数百キロも旅することもあったそうです。素材は巨大な杉の木です。