慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

怒りは毒蛇の毒よりの自身を傷つける

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 以前にも何回か書きましたが、仏教では「怒り」というものを非常に重要視します。怒りはしばしば毒蛇の毒に例えられるほど。怒りは何よりも怒った人そのものに毒となるとお釈迦さまはおっしゃいました。

 ねたみもひがみも、何かを羨むのも、すべて怒りから発する感情です。そして、怒りは外から入ってくるものではなく、自らが作り出しているのです。

 仏教では「怒りを抑え込む」とか「我慢しろ」という風には考えません。怒りを消す方法は「怒らないこと」につきるのです。怒ったからといって、傷つくのはまず自分自身。怒りにまかせて他の人を攻撃しても、するりとかわされてしまったら・・・つまり相手が怒りを返してこなければ、行き場を失った怒りは自分に帰ってくるだけです。

 とはいうものの、腹が立つのを止めるのは簡単ではありませんね。ましてや僧侶の身としては恥ずかしいばかりです。

 昨日は一日中楽しいことばかりだったのに、今日はなんだかモヤモヤ・・・心に怒りがあるのがわかって、恥ずかしいやら情けないやら、それにこだわる自分にさらに腹が立ってしまいます。

 落ち着いて考えれば、それほど腹を立てることでもなく、するりと聞き流せが良いし、こちらが落ち着けば、相手が攻撃してくる理由が見えてくることもあるのです・・・とここまで書いた時に来客がありました。素敵なプレゼントを持って!

 怒っていてはご飯もおいしくありませんね。今日はとてもおいしそうな干物をたくさんいただきました。贅沢な鯛の一夜干しも!!新米でご飯をたいて、ゆっくり鯛をやいて食べましょう。あ、小松菜もいただいったっけ!

 腹をたてるばかりの情けない日が、お腹も心も幸せな夜になりました。これも「阿弥陀様のお手配」と言ってはいけないかなぁ?

◎今日の写真はカナダのケベック州の楓の林で見た落葉です。