慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

父の「偲ぶ会」を終えて・・・ブログ更新を再開します。

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 たった今、東京から戻ってきました。今日は父の供養のために、近しい親戚が集まって父を「偲ぶ会」をしたのです。

 以前のブログにも書きましたように、父は30年も前に献体を決めていて、亡くなってすぐ慈恵医大の方が引き取って下さいました。遺骨が戻ってくるのは数年後のことになりそうです。

 しかし、父が亡くなる前夜、私は一人で父の病室で夜を明かしました。そのとき、宝蔵菩薩が阿弥陀仏になられたいわれについて、ゆっくりと父に語り、そのまま剃髪の儀式をし、戒を授ける儀式もしました。仏の弟子になって、お浄土へ旅立っていかれるように準備をしたのです。父は耳も聞こえていたし、意識も明確だったようですから、私が何をしようとしているのか分かったと思います。

 慈雲寺が属する浄土宗西山派西山浄土宗)の教えは、徹底した絶対他力の教えですから、いったん阿弥陀仏のお慈悲について聞かせてもらったら、後は全て阿弥陀様におまかせです。私たちからは何も用意する必要はありません。

 極端に言えば、「極楽なんてあるのか?」と疑う気持ちのままでさえ、阿弥陀さまは極楽に迎え取ってくださるのです。

 ですから、今日の「偲ぶ会」は、哀しみの中にも、穏やかな雰囲気で、皆がそれぞれ父との思い出を語ってくれて、楽しい会になりました。何十年ぶりかで会う従妹たちと話すのも不思議な親しみがすぐ戻ってきました。これも、父がくれたプレゼントでしょう。

 これをきっかけに、この「おろおろ日記」も再開いたします。これまでは、自分の気持ちになかなか向き合えず、自分の「日々の暮らし」をブログに書くのは、どうも難しかったのです。でも、明日からは、その難しさやためらいも含めて、またブログを書いていこうと思います。

◎今日の写真は石山寺の経蔵です。巨大な一切経の棚を見上げると、コツコツと少しでも修行を続けていかなければ・・・と、思いました。