日本人で字の上手な人と言えば、まず思い出されるのが弘法大師ですね。上の絵は、
両手、両足、それに口にも筆をくわえて、さらさらと漢詩を書く弘法様の御姿です。もちろん、書く字は全部違う!ちょっと、凄すぎますね。
でも、たくさんある弘法大師の絵の中では、私はこれが一番好きです。たぶん、中国の留学から帰ったばかりのお年頃ではないでしょうか?いかにも天才という雰囲気ですが、ユーモアがあって楽しそうです。
さて、弘法大師の御正当日は、旧暦の3月21日です。新暦で言うと、今年は5月6日に当たります。御正当というのは、祥月命日のことなのですが、空海さまは、高野山で深い瞑想にお入りになったままで、今も生きていらっしゃることになっています。空海様の日常生活のお世話をする係もちゃんといるそうです。
慈雲寺は法然房源空上人(法然上人)を宗祖、善慧房証空上人(西山上人)を流祖とする浄土宗西山派(西山浄土宗)に属していますから、御本尊は阿弥陀如来です。しかし、慈雲寺の周辺は弘法大師信仰の濃厚な知多半島の文化圏に位置しています(現在の住所は名古屋市ですが、50年前は知多郡)。その為、弘法様もお祀りしているのです。
慈雲寺では、毎年の御正当の日に、弘法大師様の御像を壇から降ろし、参詣の皆様と御一緒にお身拭いをしていただいています。弘法様に直接触れて御縁を結んでいただく機会です。特に身体的なお悩みのある方にお勧めいたします。
お身拭いには、マスク(お像に息がかからないようにするため)と柔らかい布をご持参ください。お参りに来られない方の為には、その方が愛用しているハンカチなどをお持ちになって代参されるのもお勧めです。
また、当日は四国八十八か所の巡礼地から集めた砂を踏んで参拝していただける、お砂踏みも行います。四国巡礼と同じ功徳があると言われています。
短い法要と、弘法大師のお徳についてのお話しは、5月6日10時から行いますが、お身拭いとお砂踏みは、朝7時半から夕方6時まで、お好きな時間にお参りしていただけます。
どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参拝ください。