慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

5月6日、弘法様の御正当に、弘法大師像のお身拭いとお砂踏みをいたします。

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 日本人で字の上手な人と言えば、まず思い出されるのが弘法大師ですね。上の絵は、

両手、両足、それに口にも筆をくわえて、さらさらと漢詩を書く弘法様の御姿です。もちろん、書く字は全部違う!ちょっと、凄すぎますね。

 でも、たくさんある弘法大師の絵の中では、私はこれが一番好きです。たぶん、中国の留学から帰ったばかりのお年頃ではないでしょうか?いかにも天才という雰囲気ですが、ユーモアがあって楽しそうです。

 さて、弘法大師の御正当日は、旧暦の3月21日です。新暦で言うと、今年は5月6日に当たります。御正当というのは、祥月命日のことなのですが、空海さまは、高野山で深い瞑想にお入りになったままで、今も生きていらっしゃることになっています。空海様の日常生活のお世話をする係もちゃんといるそうです。

 慈雲寺は法然源空上人(法然上人)を宗祖、善慧房証空上人(西山上人)を流祖とする浄土宗西山派西山浄土宗)に属していますから、御本尊は阿弥陀如来です。しかし、慈雲寺の周辺は弘法大師信仰の濃厚な知多半島の文化圏に位置しています(現在の住所は名古屋市ですが、50年前は知多郡)。その為、弘法様もお祀りしているのです。

 慈雲寺では、毎年の御正当の日に、弘法大師様の御像を壇から降ろし、参詣の皆様と御一緒にお身拭いをしていただいています。弘法様に直接触れて御縁を結んでいただく機会です。特に身体的なお悩みのある方にお勧めいたします。

 お身拭いには、マスク(お像に息がかからないようにするため)と柔らかい布をご持参ください。お参りに来られない方の為には、その方が愛用しているハンカチなどをお持ちになって代参されるのもお勧めです。

 また、当日は四国八十八か所の巡礼地から集めた砂を踏んで参拝していただける、お砂踏みも行います。四国巡礼と同じ功徳があると言われています。

 短い法要と、弘法大師のお徳についてのお話しは、5月6日10時から行いますが、お身拭いとお砂踏みは、朝7時半から夕方6時まで、お好きな時間にお参りしていただけます。

 どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参拝ください。

ゴールデンウィーク中の慈雲寺の行事のお知らせ

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 ゴールデンウィーク開幕ですね・・・とは言ってもお寺はあまり関係がありません・・と思っていたら、慈雲寺ではいろいろな行事があることに気が付きました。もっと早くお知らせすべきでしたが、万事ぼんやりの住職ですみません。

①4月29日10時より 尼僧と学ぶやさしい仏教講座

 毎月行っているお話しの会です。身近な話題を取り上げながら、仏教というものの見方、考え方を御一緒に学んでいきましょう。4月は「煩悩ってなんでしょう?」というテーマを取り上げてみました。仏教では、唯識など、煩悩を細かく哲学的に分析する伝統もありますが、難しい知識ではなく、身近な問題から仏教の「煩悩」へのアプローチの仕方、いはば「煩悩とのつきあいかた」を考えてみましょう。

 どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

 

②4月30日夜7時半より 「満月写経の会」

 慈雲寺では、毎月満月の夜に写経の会を行っています。とても緩やかな雰囲気の写経の会です。お月様を愛でるだけの方も大歓迎。慈雲寺の境内から眺める月は、また格別です。写経に必要な道具は全て用意してあります。お気軽にご参加ください。

 

③5月6日 10時より 「弘法大師御正当日」お身拭いと四国八十八か所お砂踏み (短い法要は10時からですが、お身拭いとお砂踏みは全日、いつでもお参りください。)

 旧暦の3月21日は弘法大師空海さまの御正当日(祥月命日)です。今年は新暦の5月6日がその日に当たります。

 慈雲寺では、毎年御正当日に弘法大師さまのお身拭いをいたします。さまざまな悩み、特に体の不調に悩むかたは、直接お大師様の御像に触れ、深いご縁を結んでください。また当日は四国八十八か所から集めたお砂のお砂踏みをしていただけます。巡礼をしたのと同じ功徳がいただけると言われています。

◎慈雲寺への交通アクセス


申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分にバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません。「郷前の交差点近くの慈雲寺」とおっしゃってください。慈雲寺を知らないタクシーの運転手もいますので、その場合は郷前の交差点の鍼灸院で降りてください。鍼灸院からお寺の屋根が見えますので、右手の細い坂道を上がってください。
★慈雲寺から徒歩5分のところに、有松ジャンボリーというショッピングモールがあります。そこの駐車場に駐車して(無料)、歩いておいで下さるかたもいらっしゃいます

◎今日の写真は、天橋立の近くにある成相寺で見たシャクナゲです。

ご近所さんのお助け隊のおかげで、境内がすっきり初夏景色!

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 昨日、ご近所の方が5人来て下さって、慈雲寺の境内の枝払いや植木のトリミングをして下さいました。本当にありがとうございます!

 上の写真は、手付かずの状態の写真です。次回はきれいになった所をアップしますね。

 実は、Kさんのお宅が工事をなさるので、「作業員の車などを停めさせてほしい」という依頼を受けました。慈雲寺はご近所のお役に立てることなら喜んで!協力させていただきたいと日ごろから思っていますので、この依頼も嬉しくうかがいました。

 Kさんは「駐車料金はどれほど・・・」と聞いて下さったので、「もちろん無料で結構です。でも、境内のことを何か手助けしてくださると嬉しい。これも布施行の一つで、身施といいます。」なんて、冗談半分に言ってみると、何と!お友達に声をかけて下さって、お助け隊を結成して下さったのです。

 軽トラで集合した隊員は、電気のこぎりから箒まで完備。私の出る幕は全くなく、切り落とした枝や葉の掃除をもそもそしただけでしたが・・・

 境内はみるみるスッキリ!木立の間に風や光がとおって、植物も嬉しそうでした。

 慈雲寺は、住職が怠け者で要領が悪いので、なかなかスッキリした境内にはなりませんが、こんな風にご近所の方々に支えられて、何とか続けていかれます。

 本当にありがとうございます。

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は4月29日です。テーマは「煩悩ってなんでしょう?」

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 慈雲寺では、毎月一回、身近なテーマをとりあげて、仏教というものの見方、考え方の基礎を御一緒に学んでいく会を催しています。

 今月は4月29日の日曜日、10時より行います。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

 今月のテーマは「煩悩」です。煩悩とは、私たちの苦しみの原因になるさまざまな心の動きをいいます。煩悩を滅却するために頑張って修行する・・・というのも一つの考え方ですが、あまりそれに執着すると、頑張ること自体が煩悩になってしまうというやっかいな問題もあります。

 また、煩悩がそのまま悟りなのだ・・という教えもありますが、それも何が何だかわからないですね?

 煩悩との穏やかな付き合い方を御一緒に考えてみませんか?

 慈雲寺で行われる全ての宗教行事は、特別な場合を除いて無料ですが、仏様やご先祖様のご供養、お寺の維持などのため、お気持ちを御喜捨いただければ幸いです。

◎慈雲寺への交通アクセス

申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分にバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません。「郷前の交差点近くの慈雲寺」とおっしゃってください。慈雲寺を知らないタクシーの運転手もいますので、その場合は郷前の交差点の鍼灸院で降りてください。鍼灸院からお寺の屋根が見えますので、右手の細い坂道を上がってください。

★慈雲寺から徒歩5分のところに、有松ジャンボリーというショッピングモールがあります。そこの駐車場に駐車して(無料)、歩いておいで下さるかたもいらっしゃいます。

 

◎今日の写真は慈雲寺が属する浄土宗西山派西山浄土宗)の総本山光明寺の新緑です。

花盛りに酔う・・・でもお酒を飲んでるわけではありません。

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 慈雲寺の境内は今、ツツジの花盛りです。私はこのお寺に赴任するまで、ツツジはあまり好きではありませんでした。紫とピンクを混ぜたような、派手な色が苦手だったのです。しかし、慈雲寺の裏庭にある薄い桃色の木は、大のお気に入りになりました。

 毎朝、お本堂の扉を開けるときに、ちょうど朝日が花にスポットライトを当てるように輝きます。蕾が開いたばかりのような時が特に美しいですね。

 ツツジのように、派手な花が咲いていると、つい他の花の盛りを見落としていまいます。慈雲寺の境内はそれほど広いわけでもないのに・・・今年はボタンの花盛りを見逃してしまったようです。今朝、裏庭に出てみたら、もうすでに散りかけていました。このボタンは、気まぐれに株分けして、そのまま手入れをせずに放っておいたものです。それでも、懸命に咲いていたのに・・・

 これからしばらくは、次々と花盛りがやってくるので、まさに花に酔う毎日です。もっと小まめにご近所を散歩して、花を楽しむべきでしょうね。

 「酔う」と言っても、お酒を飲むわけではありません。仏教徒は五戒という五つの戒めを守ることが行動規範の基本です。その基本の五戒の中に、不飲酒戒があります。お酒を飲んではいけないという戒めです。酔っぱらってしまうと、正しい行いがしにくくなるからです。

 しかし、この戒めについて法然源空上人(法然上人)は、「飲酒は避けるべきことではありますが、”世の習い”なので」とおっしゃっています。もちろん、これは一般の仏教徒の人たちに向けてのお言葉。僧侶はやはり飲酒はできるだけ避けるべきです。

 私はどうやら、お酒が好き・・・と思われているようですが、実はほとんど下戸。ワイングラス一杯、日本酒二分の一合が限界です。なので、不飲酒戒は私には難しくありません・・・花の美しさに酔うだけで十分です。

◎今日の写真は福岡の街角で見た藤の花です。私は藤が大好きなので、とても楽しみ!

家族だから言わなくてもわかる???

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 自分の思いを人に伝えることは、とても難しいことです。相手に自分の意図を正確に伝えるには、豊かな語彙、柔軟な表現力が必要です。しかし、今は、スマホやインターネットを通じてのやりとりでは、文章は短く、ぶっきらぼうになりがちです。本を読む習慣が薄れれば、語彙はどんどん貧弱になっていくでしょう。

 それでいて、相手に自分の思いを伝えたい、自分の気持ちを分かって欲しいという願いは、どんどん強くなっていきます。ツイッターのように、短時間で大きな反応を期待するメディアでは、「いいね」が付かないと不満はつのり、寂しさも増してしまいます。フォロワーが山ほどいても、結果的には孤独感が強まっていくのです。

 日本には「以心伝心」といったように、口に出して、言葉にして自分の思いを伝えなくても良いという伝統(?)があります。とりわけ、夫婦や親子のような近しい家族は、「身内なんだから言わなくてもわかる」と思いがちです。

 しかし、それは本当でしょうか?

 「以心伝心」は、もともと禅宗の教えから出てきた言葉です。仏教の真髄は言葉で伝えられるものではなく、師から弟子の心に直接伝えられるものだというのです。確かに、人間の限られた語彙で真理を語りつくすのは難しいでしょう。しかし、私たちの心の中の思いは、やはり言葉て伝えていくべきだと思います。

 とりわけ、感謝の言葉、思いやりの言葉は、口に出して、文字にして、行動で、相手に伝えましょう。家族だからこそ、長い間のつきあいのある友人だからこそ、一緒に働く同僚だからこそ・・・近くにいるものだからこそ、「わかって当たり前」ではないのです。

 人に思いやりを込めた優しい言葉をかけることは、「愛語」と言って、布施行の一つでもあります。

 反対に、怒りを込めた言葉を発するのは、相手以上に自分自身を傷つけていることを忘れないでください。怒りは毒蛇の毒よりも、その人自身を害するとお釈迦様は教えてくださっています。

◎今日の写真は宝塚市にある中山寺の仁王様です。

煩悩ってなんでしょう?

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 慈雲寺では、毎月一回、「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」として、身近な話題から仏教というものの見方、考え方の基礎を御一緒に学んでいく会を催しています。

 4月は29日に行うのですが、テーマは「煩悩とはなんでしょう?」です。煩悩とは、私たちの苦しみの元です。仏教はいったい、何を煩悩と考えるのでしょう?そして、その煩悩をどう扱えば、私たちは苦しみ少なく生きていくことができるのでしょう?

 煩悩を消そうとか、完全になくしてしまおう!と決意(?)することを仏教は勧めていません。煩悩を消そうと頑張ること自体が煩悩になってしまうからです。

 煩悩をどう扱うのか、どう取り組むのか、どうコントロールするのか?・・・この問題は仏教を学ぶ時の最初の関門であり、いつまでたってもなかなか越えられない深い問題でもあります。

 講座の準備をするために、改めてさまざまな方が「煩悩」について書いておられるのを改めて読み直していると、難しいけれど、楽しい。「煩悩について、皆さんにうまく説明したい!」と思うのも、もちろん煩悩ですよね。

 「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は4月29日(日)10時より行います。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

◎今日の写真は、宝塚市にある中山寺で見た狛犬です。