慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

あけましておめでとうございます。

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 浄土系の仏教寺院では、年が明けて最初に行う儀式を「修正会」といいます。今年は6名の方がお参りに来て下さいました。暖房もない慈雲寺に来てくださって、とてもありがたく思いました。

 新年最初の写真は、郡上八幡で見たステンドグラスの宝船と七福神です。皆さまにもたっぷりと福と宝が降り注ぐ一年になりますように・・・・

 私からのお年玉プレゼントは、下のURLです。ディマシュ・クダイベルゲンというカザフスタンの歌手の歌が入っています。この発音も難しい名前の歌手は、音域が驚くほど広く、まさに天才です。

 歌の内容は英語の翻訳を見る限り、人間の存在の根源的な不安を表しているようです。この歌が、彼自身の内面を表現しているものなら、お坊さんになればいいのになぁ・・・と思えます。この声で声明をしたら、まさに極楽からの音に聞こえることでしょう。

 https://www.youtube.com/watch?v=W29zEuZVaxs

 

 どうぞ皆さま、阿弥陀仏のお慈悲につつまれ、お念仏を喜ぶ一年となりますように

年越しは写経と静座で・・・・修正会へのお誘い

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 上の写真は、インターネットからお借りした「五劫思惟阿弥陀仏坐像」です。このお姿は、阿弥陀仏が仏になられる前、法蔵菩薩の時代を表したものです。法蔵菩薩は、すべての衆生を一切の条件をつけずに掬い取る誓いをたて、それに必要な修行や懺悔(さんげ)を私たちに代わって成し遂げて下さいました。

 年越しは、混雑した社寺へお参りするのも良いでしょうが、今年はこの法蔵菩薩のお姿のように、静かに一年を振り返ってみませんか?

 31日23時45分より、年越しと年頭の法要「修正会」を行います。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にお参り下さい。

 写経や写仏をしていただける用意もいたしますので、早めにおいでになって、写経を始めるのもおすすめです。

 慈雲寺の駐車場は7台ほどしか停まれませんが、お声がけいたかければ、近くで駐車できるところをご紹介いたします。

 慈雲寺の住所は名古屋市緑区桶狭間上ノ山725です。電話番号でカーナビに入力するなら、(052)621-4045をお使いください。

僧侶は本来乞食(こつじき)で生きるべき・・・そうなんだけど

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 上の写真は名古屋の白鳥公園で見た落ち葉です。慈雲寺も、これほどではありませんが、落ち葉も来年に持ち越してしまいそう・・・今日、明日の2日で、なんとか形を整えたいものです。去年の年末にも「来年は身辺をすっきり!」を目標にしたのですが・・

 さて、年末になるとお墓のお掃除に見える人がたくさんいます。家の掃除が終わった方々でしょうね。「家の中は来年に期待だけど、せめてお墓はきれいに・・・」という方もいらっしゃるかな?いずれにしても、墓地で家族の楽しそうな声が聞こえるのは住職としては嬉しいものです。

 お墓参りが終わると、本堂にお参りして(本当はお墓に行く前にお参りしてくださいね)、そして庫裏にも立ち寄ってくださる方がいます。昨日は、パンプキンパイと金山寺みそ、一昨日はかまぼこと野菜どっさり。お米も先日いただいたので、これで十分お正月籠りができます。本当にありがとうございます!

 僧侶は本来、毎日托鉢に出て、そこでいただいた「食べ物」を食して生きるべき存在。つまりは「乞食」が本来の姿です。あの僧侶の鉢に食べ物を入れさせてもらうと功徳になる・・・と思ってもらえるような僧侶になることが修行の一つですからね。僧侶も、毎日多くの人とご縁を結び、教えを説いて「法施」をさせてもらえる・・・托鉢はいいですね。

 時々托鉢僧を見かけますが、鉢に入っているのはたいていお金。僧侶は本来お金に触ってはいけないのに・・・

 ま、私はお寺で待機していただけなので、托鉢したわけではないですが・・・

 さて、パンプキンパイを温めていただきましょうか。

ここ数日、「輪廻の主体」について考えています。 Part 2

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 すべてのいきものは、一つの生を終えると、次の生に向けて「輪廻」していくという考え方は、お釈迦さまが生きておいでの時代のインドでは当然のこととして受け入れられていました。仏教も「輪廻」という考え方を受け入れていますが、バラモン教ヒンドゥー教のように、「我」(アートマン)を認めないので、いったい「何」が輪廻していくのか、輪廻の主体は何なのかという議論は、初期の仏教教団の僧侶たちから、現在の我々まで止まることなく続けられてきました。

 それを「阿頼耶識」といったり、仮にという前提付きで「魂」といったりして説明されてきました。

 浄土教では、唯識という仏教哲学を奉じる人々のように、「輪廻の主体」について延々と議論したりはしませんが、「どうでも良い」と思っているわけではありません。わかりやすく説明する方便として「たましい」とい言葉を使う僧侶は多いと思います。

 ところで、私が以前から気になっていることがあります。それは、法蔵菩薩が、すべての衆生を極楽に迎え取ることを志し、修行に入るにあたって立てた誓願の一つのことです。

 法蔵菩薩は四十八の誓願を立て、この誓願がすべて成就できなければ、私は仏にならないと言って修行に入ります。最も有名なのは、第十八願の「念仏往生の願」ですが、他の誓願も一つ一つがとても興味深いものです。

 私が修行僧の時代から気になっているのが、5番目から10番目までの願で、極楽に迎え取られた衆生がかならず得ることができる六つの神通力のことについて誓われたものです。

 第五願は「宿命智通の願」と呼ばれるもので、阿弥陀仏に出会い、極楽に迎え取られた衆生は、過去から未来にわたって、自分の定め、運命、輪廻の記憶などをすべて持つことができるのだそうです。何千回、何万回生まれ変わって輪廻し続けても、そのすべてを記憶している神通力を持つことができるのだそうです。

 阿弥陀仏法蔵菩薩としてたてた約束、誓いはすべて成就されています。成就されているからこそ阿弥陀仏が出現したのですから・・・衆生の往生と弥陀の正覚は同時に発生しているというのが法然上人から證空上人に伝えられた教えの基盤です。

 う~~~ん・・・すべてを記憶しているのは誰?ある鎮西派の方の解説には「過去・現在・未来にわたる自分の出来事を知る」智慧とありますが・・・・「自分」というところが謎です。私は「自分」を維持したままお浄土に行けるのかなぁ・・・

 「輪廻の主体」について考えるのは、数日ではすみそうにありません。

◎今日の写真は名古屋のある神社の生垣。かわいらしいミカンがたくさんなっていました。

◎前回ご報告したトラ猫。昨日も今日も姿を見せません。どうしたのでしょう?私の条件が厳しすぎたか?ネズミの用心棒は嫌か?

 ところで、猫を話題にしたせいか、昨日はいつもの2.5倍ものアクセスがありました。トラ猫で検索すると引っかかったのか?不思議。

 

茶トラ猫、再び侵入!同居なら条約を結んで欲しい・・・

  

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 なんだか台所でごそごそ音がするので、覗きに行ってみると、前にも庫裏に侵入していた茶トラ・・・私に気が付くと、サッと隠れてしまう。前回は、夏だったからどこか開いている窓からでも入り込んだのかもしれないけれど、今回はどこから?

 この寒空だから、居候したいなら追い出すつもりはないけど、トイレ問題と障子バリバリ問題については、不可侵条約を結んで欲しい。土間にトイレを用意するからお願いだ!

 上の写真はネットから借りたものです。毛並みはそっくりだけど、さすがに長年の浪人暮らしのせいか、この写真みたいにのんびりしていない。近づくと、目を思いきり見開いて、恐怖の表情・・・そんなに嫌なら入ってくるなよぉ~~~~

 というわけで、私としてはネズミを威嚇してくれる用心棒として働いてくれるなら、喜んで餌もあげるつもりです。

一年の終わりを心穏やかにすごしませんか - 修正会のお誘い

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 慈雲寺には梵鐘はありませんが、静かに一年を振り返り、煩悩の炎をいったんしずめてから新しい年を迎えませんか?

 12月31日の深夜11時45分から修正会を行います。

 写経や写仏をして年越しをするのもおすすめです。写経は31日からお正月の三が日を通して、いつでも体験していただけるようにご用意しておきます。

 たくさんの初詣でにぎわう社寺で新年を迎えるのも良いでしょうが、慈雲寺はゆったり、静かに、阿弥陀仏のお慈悲に包まれて新しい年を歩みだすことができるでしょう。

 慈雲寺は浄土宗西山派西山浄土宗)に属していますが、どなたでもお気軽にお参りいただけるみんなのお寺です。法事などの仏事はもちろんのことですが、日常生活の心配事やお悩みなどのご相談にも応じています。お気軽にお立ち寄りください。

 

明日(22日)の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」には、「いまさら聞けない!」という質問をぜひ持っていらしてください!(+慈雲寺へのアクセスのご案内)

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 慈雲寺では、毎月一回、「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を行っています。「講座」という名前はついていますが、どなたにもお気軽にご参加いただける内容です。

 12月は22日(日)の10時より行います。テーマは「仏教とお寺のしきたりの基礎」です。

 一年の最後ですから、「はじめてお寺に出かける」気持ちに帰って、仏教の基礎知識を思い出してみましょう。

 「今更、こんなこと和尚さんに聞けない・・・でも知りたい!」というようなことがありましたら、ぜひ質問してください。

 「お釈迦さまにはたくさんの呼び名がありますが・・・」とか、「神社とお寺はどう違うのですか?」などのことから、ご一緒に考えてみましょう。

 どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

 

 慈雲寺は浄土宗西山派西山浄土宗)に属していますが、伝統的な意味での檀家の無い、皆さまに開かれたお寺です。本堂は昼間、いつでも開いていますので、どなたでも阿弥陀様の前で、ゆっくり祈ったり、くつろいだりしていただけます。

◎慈雲寺で行われる行事は、原則として無料です。仏様への御供養や、お寺の維持のために、お気持ちを御喜捨いただければありがたく存じます。

◎仏事や、さまざまなお悩みなど、いつでもお気軽にご相談ください。

 電話052-621-4045

◎慈雲寺への交通アクセス

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。


★鉄道、バスのアクセス
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分に鳴子北駅からバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約50分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発と10時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません”

 

◎今日の写真は有松の旧東海道沿いの町並みです